マイクロプロセッサを使用したシステム、基板レイアウト作成時の重要ポイントは:マイクロプロセッサQ&Aハンドブック(4)(1/6 ページ)
マイクロプロセッサ(MPU)を使用したボードを開発するユーザーが抱えるさまざまな悩みに対し、マイクロプロセッサメーカーのエンジニアが回答していく連載「マイクロプロセッサQ&Aハンドブック」。今回は、「基板レイアウト作成時の重要ポイント」について紹介します。
マイクロプロセッサ(MPU)を使用したボードを開発するユーザーが抱えるさまざまな悩みに対し、マイクロプロセッサメーカーのエンジニアが回答していく連載「マイクロプロセッサQ&Aハンドブック」。第4回は、第1回記事『マイクロプロセッサ(MPU)の知っておくべき8つのポイント』で紹介した8つのポイントの内、「基板レイアウト作成時の重要ポイント」について紹介します。
なお、マイクロプロセッサメーカーから、設計の指標となるアプリケーションノートやリファレンスデザインとして評価ボードの回路図が提供されているので、まずはそれらを参考にシステム設計の概要を理解することを推奨します。
マイクロプロセッサを使用した基板レイアウト作成時の重要なポイントは?
マイクロプロセッサの基板設計では、DDR3LやDDR4といった高速なメモリを接続する必要があります。また、USBなど各種高速なシリアル信号を使用することも多いです。これらの信号の配線レイアウトが適切でない場合、基板のブート失敗や、通信エラーの発生といった症状につながります。不適切な配線レイアウトは、次のような現象を引き起こします。
- 基板配線の特性インピーダンスの不整合による信号の反射
- 基板配線の信号間の間隔が不十分なことによるクロストーク
- 基板配線の配線長の違いによる伝搬遅延
上記の現象を避けるため、高速信号を使用する基板の配線については、以下の項目を考慮する必要があります。
- 基板配線に必要な特性インピーダンスの列挙
- 基板の層数とHigh Density Interconnect(HDI)基板の要否
- 基板の層構成(基板のプリプレグと銅箔の厚み/配線層の役割)
- 基板の配線トラック幅/配線トラック間隔
- 基板配線の特性インピーダンスの確認
- DDRメモリの配線長許容差
- 基板の表面仕上げ
半導体メーカーによっては、DDRメモリの配線のガイドラインやサンプル配線レイアウト図を提供しています。これらを参考にDDRメモリの配線を行うと、高速信号のクロストークや反射などのトラブルを回避し、基板レイアウトの時間も短縮できます。
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