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マイクロプロセッサを使用したシステム、基板レイアウト作成時の重要ポイントはマイクロプロセッサQ&Aハンドブック(4)(2/6 ページ)

マイクロプロセッサ(MPU)を使用したボードを開発するユーザーが抱えるさまざまな悩みに対し、マイクロプロセッサメーカーのエンジニアが回答していく連載「マイクロプロセッサQ&Aハンドブック」。今回は、「基板レイアウト作成時の重要ポイント」について紹介します。

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 マイクロプロセッサを使用した基板レイアウト作成時の重要なポイントについて、比較的回路構成がシンプルなSTマイクロエレクトロニクス(以下、ST)のエントリー向けマイクロプロセッサ「STM32MP13シリーズ」を例に説明します。

基板配線に必要な特性インピーダンスの列挙

特性インピーダンス 用途 信号名の例
シングルエンド50Ω SDカード/eMMC SDMMC1_D0-8
SDMMC1_CK
SDMMC2_D0-8
SDMMC2_CK
DCMI(デジタルカメラインタフェース) DCMI_PIXCLK
DCMI_D0-8
DCMI_HSYNC
DCMI_VSYNC
パラレルRGB(ディスプレイ接続部) LCD_CLK
LCD_R0-7
LCD_G0-7
LCD_B0-7
SWD(デバッガ接続用インタフェース) T_SWO
T_SWDIO
T_SWCLK
シングルエンド55Ω DDRメモリのDQ信号 DDR_DQ0-15
差動100Ω DDRメモリのクロック信号
DDRメモリのDQS信号
DR_CLK_P
DDR_CLK_N
DDR_DQS0_P
DDR_DQS0_N
DDR_DQS1_P
DDR_DQS1_N
EthernetのPHY用ICとEthernetのパルストランスの接続部 TD1_P
TD1_N
RD1_P
RD1_N
MIPI CSI-2(カメラシリアルインタフェース) CLK_P
CLK_N
DATA1_P
DATA1_N
DATA2_P
DATA2_N
差動90Ω USB High speedの差動信号ライン USB_D1_P
USB_D1_N

USB_D2_P
USB_D2_N

基板の層数とHDI基板の要否

 マイクロプロセッサのパッケージのボール間ピッチや、より高密度な基板を設計したいかどうかによって、使用する基板の層数がかわります。

 基板作成に当たり、レーザーによるビア加工やマイクロブラインドビア、埋め込みビアの要否を確認します。レーザーによるビア加工やマイクロブラインドビア、埋め込みビアを要する基板を「High Density Interconnect(HDI)」基板と呼びます。HDI基板は、通常の基板に比べてコストが割高です。基板の製造コストを抑えたい場合には、必要な基板層数が4層で済み、割高なHDI基板を必要としないパッケージのマイクロプロセッサを選択します。

 STM32MP13シリーズは、ボール間ピッチを小さくして基板面積の最小化を優先するか、ボール間ピッチを大きくして基板コストを優先するかをユーザーが選べるように、ボール間ピッチの異なるパッケージで提供されています(表1

製品ライン 製品型番 パッケージ ボール間ピッチ 必要な基板層数 HDI基板
STM32MP13シリーズ STM32MP13xxAEx LFBGA289(14x14mm) 0.8mm 4 不要
STM32MP13xxAGx TFBGA289(9x9mm) 0.5mm 6 必要
STM32MP13xxAFx TFBGA320(11x11mm) 0.5mm 6 必要
表1:STM32MP13シリーズのボール間ピッチの違いと必要な基板層数/HDI基板要否

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