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ステップアップ形DC/DCコンバーターの設計(6)チョーク電流連続時の充電モードたった2つの式で始めるDC/DCコンバーターの設計(13)(2/4 ページ)

今回は不連続モード時のリップル電圧について説明する前段階として、チョーク電流が連続でも平滑キャパシターへの充電がtoff期間より短くなるモードについて説明します。

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モードI、モードIIの臨界出力電流IOCRI

 モードIIは次ページの図2に示すようにチョーク電流連続、かつキャパシターC1への充電期間はtoff期間の一部区間(tc)のモードです。このモードではチョーク電流ILは出力電流Io以上の時にだけ充電に使われます。
 この時のキャパシターの電流波形はチョーク電流ILを出力電流Ioだけシフト(減算)したものになっています。したがってILの最小値がIo以上であればtoff全期間で充電するモードIになり、最小値がIo以下であればtoffの一部しか充電しないモードIIになります。その境界値IOCRIは次のようになります。
 toff中の電流の傾きは、

式A

であり、この式を移項すると電流振幅ΔIは、

2式

です。また電流連続時のチョーク電流ILの平均値(中点)は入力電流Iin(=Io/(1−δ))です。
 したがってチョーク電流の最小値は平均ILからΔIの1/2減少した値となり、この値がIoになる条件が臨界条件です。この時の出力電流Ioを臨界負荷電流IOCRIとします。

式B

 この式に電圧・時間積

式C

を代入すると3式が得られます。

3式

 3式から臨界電流値IOCRIはインダクタンスや周波数に反比例し、通電時比率δが大きいほど小さくなります。

注)2式の左辺は電源Vccと極性を合わすのであれば負記号ですがここでは "変化幅" の意味に注目して正記号で扱います。極性を問題にする時は回路動作に合わせて加減記号を付与します。

【計算例】
 動作条件としてVo=15V、Vcc=10V、L=55.5μH、f=100kHz、δ=0.333を代入すると臨界電流として、

式D

が得られます。

 またVcc=7.5V時はδ=0.5ですからIOCRI=(7.5×0.5)/(2×55.5μ×100k)=0.338Aです。

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