ニュース
バッテリー機器の周波数ミキシングに 低ノイズチップスケール原子クロック:マイクロチップ SA65-LN
マイクロチップ・テクノロジーは、チップスケール原子クロックの第2世代「SA65-LN」を発表した。独自開発の真空小型水晶振動子オシレーター技術を採用していて、真空小型水晶振動子オシレーターと原子クロック双方の利点を兼ね備える。
マイクロチップ・テクノロジーは2025年1月、第2世代となるLN-CSAC(低ノイズチップスケール原子クロック)「SA65-LN」を発表した。既に量産受注を開始している。
同製品は、独自開発した真空小型水晶振動子オシレーター(EXMO)技術を採用していて、EXMOと原子クロック双方の利点を兼ね備える。消費電力を295mW未満に抑えつつ、厚さ1.27cm未満に薄型化している。
位相ノイズを−120dBc/Hz未満に低減
EXMOにより、位相ノイズを10Hzで−120dBc/Hz未満に低減。アラン分散(ADEV)安定度は1秒の平均化時間で1E-11未満だ。また、原子クロックは±0.5ppbの初期精度、0.9ppb/mo未満の周波数ドリフト性能を有する。温度による最大誤差は±0.3ppb未満に抑えた。2種のオシレーターを併用する場合と比べて、設計時間や基板面積、消費電力を削減できる。
動作温度範囲は−40〜+80℃。移動式レーダーや可搬型無線機、自律型センサーネットワーク、可搬型IED妨害システム、無人車両といった航空宇宙および防衛用途に適する。
開発ツールとしては、同社の「Clockstudio」を使用できる。クロックの機能の切り替えや動作パラメーターのプロットが可能。また、LN-CSAC開発キットも用意した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
レーダー用途向け低位相ノイズの電圧制御SAWオシレーター
マイクロチップ・テクノロジーは、電圧制御SAWオシレーターの「101765-320-A」「101765-400-B」を発表した。センシング用途において、検出下限値を向上させるために必要な低位相ノイズを特徴とする。独自カットの水晶発振器 ジッタは20フェムト秒
リバーエレテックは、1チップオシレーター「KCRO-04」のサンプル出荷を開始した。水晶のカット角「KoTカット」を用いたOPAW発振器の第3弾となり、独自開発した発振用ICを採用している。高信頼性と省電力化を実現する、新コンパレーター
STマイクロエレクトロニクスは、シングルチャンネルコンパレーター「TS3121」「TS3121A」を発表した。フェイルセーフ機能や起動時間の保証により、機器の稼働率向上、消費電力の低減に寄与する。低ノイズ、高速応答 民生/産業機器用リニアホールIC
エイブリックは、民生、産業機器用リニアホールIC「S-5611A」を発売した。出力応答時間は1.25マイクロ秒、入力磁束密度換算ノイズ電圧密度は0.09μT/√Hz、400kHz時の出力ノイズ電圧は1.89mVrmsと、高速応答と低ノイズが特徴だ。より高輝度/高効率に IR:6ベースのIR LED
ams OSRAMは、IR:6赤外線(IR)チップテクノロジーをベースとしたIR LED製品を発表した。最初の製品は、「OSLON P1616」シリーズと「OSLON Black」ファミリーだ。