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独自カットの水晶発振器 ジッタは20フェムト秒:高い周波数温度特性を実現
リバーエレテックは、1チップオシレーター「KCRO-04」のサンプル出荷を開始した。水晶のカット角「KoTカット」を用いたOPAW発振器の第3弾となり、独自開発した発振用ICを採用している。
リバーエレテックは2024年5月、1チップオシレーター「KCRO-04」のサンプル出荷を開始した。同社が開発した水晶のカット角「KoTカット」を用いた、OPAW(Orthogonal Plate Acoustic Waves、直交板弾性波)発振器の第3弾となる。
KoTカットは、温度に対する周波数変化を、従来のATカット水晶振動子の50%以下に抑える特許技術。KCRO-04は、そのKoTカット振動子の性能を引き出すために開発した、独自の発振用ICを採用している。
1GHzの基本波発振と20フェムト秒以下のRMSジッタ
基本波発振は1GHzで、RMSジッタは20フェムト秒以下に抑えた。PLL(位相同期ループ)を使用しないため、低ノイズな周波数出力を可能としていて、複雑な計算や高速データ転送が必要なスーパーコンピュータ、通信機器、計測機器に適する。
サイズは3.2×2.5×1.3mmで、出力周波数は100M〜1GHzとなる。LVDSおよびLVPECL出力に対応し、KoTカットによる優れた周波数温度特性を提供。保存および動作温度は−55〜+125℃で、幅広い範囲で安定した動作を保証する。
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