連載
電源ICで構成する電源回路、設計のポイントは?:Q&Aで学ぶマイコン講座(100)(1/6 ページ)
マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初心〜中級者の方からよく質問される「電源ICで構成する電源回路」についてです。連載第15回の「マイコン周辺部品の選び方――電源編」の続編です。
素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。
今回は、初心〜中級者から多く寄せられる質問です。
連載第15回の「マイコン周辺部品の選び方――電源編」で電源設計の基本的なポイントを学びました。商用電源やUSB電源については理解できましたが、電源IC(レギュレーターICなど)を使った電源の設計はどうでしょうか? 電源ICを使った場合の設計ポイントを教えてください。
電源IC(レギュレーターICなど)で構成する電源は、大別すると同期整流型と非同期整流型です。
設計のポイントは、使用する部品の特性です。具体的には、ショットキーバリアダイオード(以降、ショットキーダイオード)、コイル(以下、インダクター)、コンデンサーなどです(図1)
これらの部品の電気的パラメーターの選択基準について簡単にまとめます。
1.コンデンサー
- 等価直列抵抗、等価直列インダクターは低いものを選ぶ
- 静電容量変化率は温度特性に影響を受ける
- 高誘電率系コンデンサーは、印加電圧に依存して実効容量が減る
- 電圧変動を抑えるために、大きな静電容量を選ぶ
2.インダクター
- 直流重畳定格電流は、最大電流以上を選ぶ
- 直流抵抗は、小さいほうが電力損失は小さい
- 浮遊容量により自己共振現象が発生する(自己共振周波数より高い周波数ではインダクターとして機能しない)
3.ショットキーダイオード
- 高速、低順方向電圧特性を選ぶ
- 高温環境の機器では環境温度を考慮する
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