検索
連載

主要ICのデータシートはなかったが......壊れたテレビの電源基板の修理【後編】Wired, Weird(2/4 ページ)

著名な国内メーカーのテレビの電源基板の修理の続きだ。今回は電源基板のメイン出力部の修理結果を報告する。

Share
Tweet
LINE
Hatena

『マル秘テクニック』で制御ICの動作を確認

 ここでマル秘のテクニックを紹介する。それは、このICへ可変電源を直接接続して電圧を少しずつ上げてICが動作するかどうかを確認する方法だ。確認した写真を図4に示す。

<strong>図4:ICへ可変電源を直接接続し、電圧を少しずつ上げてICが動作するかどうかを確認した</strong>
図4:ICへ可変電源を直接接続し、電圧を少しずつ上げてICが動作するかどうかを確認した[クリックで拡大]

 図4で背面の安定化電源でCXD9841Pへ電源を供給し、13Vから徐々に電圧を上げていった。すると15Vを超えた辺りで3ピンの発振波形が出た。この後は電圧を9Vまで下げたが、発振波形は連続で出ていた。この結果で、特性劣化と思われたCXD9841Pは壊れていないようで、15V程度の起動電圧を与えれば正常に動作することが分かった。

 しかし、安定化電源の消費電流を確認すると40mA近くあった。図5に示す。

<strong>図5:消費電流を確認すると37.7mAと表示された</strong>
図5:消費電流を確認すると37.7mAと表示された[クリックで拡大]

 図5で消費電流の37.7mAの表示が見える。他の制御ICへも電流が回り込んで消費電流が多くなっているようだ。0.8W程度の電源を作りテレビの電源投入後に起動電力を供給すれば電源基板は立ち上がるようだ。なお、図5の左中央に追加した茶色のコンデンサーは、FETのゲート電圧を供給する電解コンデンサーに10μFのセラミックコンデンサーを追加したもので、等価直列抵抗(ESR)を改善しFETのゲート電流を確保した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る