A-Dコンバーターの4つのトラブル事例と対策:Q&Aで学ぶマイコン講座(107)(4/4 ページ)
マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初級者の方からよく質問される「A-Dコンバーターのトラブル例」についてです。
ノイズの影響で、正確に変換できない
ノイズに関しては、ユーザーの環境に依存しますので、具体的な対策方法は言及できませんが、一般的にハードウェアの対策とソフトウェアの対策が挙げられます。
【ハードウェアの対策】
- デカップリングコンデンサー
- チョークコイル
【ソフトウェアの対策】
- 平均化
- 単純平均
- 移動平均
電源端子にデカップリングコンデンサーをつなげると、有効なノイズ対策になります。これは、ノイズの主成分が交流成分であることから、交流成分に対しインピーダンスが低いコンデンサーの特性を利用して、ノイズをGNDに逃がす対策です。マイコンの入り口にコンデンサーをつなげれば、外部から来たノイズをマイコンに入る前にGNDに逃がすことができると同時に、マイコン内部で発生したノイズも外へ逃がすことができます。
理論的には、ノイズの周波数成分に共振するデカップリングコンデンサーをつなげると、最も効率的にノイズを除去できますが、実際のノイズは複雑な波形なので、無限の周波数成分を含んでいます。そのため、数種類のコンデンサーを組み合わせれば、ある程度ノイズは除去できますが、完全には取り除くことはできません。デカップリングコンデンサーと併せて電源にチョークコイル(例.100mH)を直列に挿入すると、ノイズ除去効果が上がることも実験で確認されています。
デカップリングコンデンサーやチョークコイルを付けても、ある程度のノイズは発生しますので、さらにソフトウェアでノイズを除去すると効果的です。
一般的に知られている方法は平均化です。複数回測定し、平均を取るとノイズの影響を減らすことができます。
複数回測定し累算して、その回数で割る一般的な「単純平均」と、ある一定区間ごとの平均値を計算し、次に、その区間をずらしながら平均をとる「移動平均」があります。「移動平均」の方が単純平均より、滑らかな平均結果が求まるので、ノイズ成分の除去効果が高いといえますが、結果が出るまでに、時間がかかります(図5)
A-Dコンバーターのノイズ対策に関しては、次の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
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