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熱設計の自由度向上 サンケン電気の車載3相モーター用ドライバー:DBC構造で温度検出の精度向上
サンケン電気は、高圧3相モーター用ドライバー「SAM265M50AS3」の量産を開始した。スイッチング損失が低減していて、IPMの温度上昇を抑制する。車載規格「AQG324」に準拠した。
サンケン電気は2025年10月、高圧3相モーター用ドライバー「SAM265M50AS3」の量産を開始した。出力スイッチング素子やブートストラップダイオード、プリドライバー、サーミスターなどを一体化した「SAM2」シリーズの新製品で、車載用途に対応する。
他社同等品と比べ、スイッチング損失が20%以上低減した(ジャンクション温度125℃、コレクタ電流50A時)。これにより、インテリジェントパワーモジュール(IPM)の温度上昇を抑え、熱設計の自由度を高めた。
絶縁耐圧は2500V(1分)、ジャンクション温度は175℃を保証する。最大定格が650Vおよび50Aで、車載規格「AQG324」に準拠した。
DBC構造を採用
基板上に直接チップなどを実装できるDBC(Direct Bonding Copper)構造を採用。パワーチップを高密度実装したほか、温度検出用サーミスターを同一基板上に配置した。これにより、温度検出の精度が向上したほか、急激な温度変化も追従可能になった。
パッケージは、52.5×31.0×5.6mmのDIP30を採用した。電源電圧低下保護機能や過電流保護機能も備える。電動車(xEV)の高圧補機システムにおける電動コンプレッサーや電動オイルポンプ、電動ウォーターポンプなどの3相モーター駆動に適する。
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