最大1Gビット/秒対応の宇宙向けEthernet PHY、Microchip:QML Class P/ESCC 9000P認証
Microchipの耐放射線Ethernet PHYトランシーバー2製品がQML Class P/ESCC 9000P認証を取得した。最大1Gビット/秒に対応し、宇宙のミッションクリティカル用途で信頼性の高いデータリンクを実現する。
Microchip Technology(以下、Microchip)の耐放射線Ethernet PHYトランシーバー2製品は、同社として初めてQML Class P/ESCC 9000Pの認証を取得したデバイスだ。シングルポートの「VSC8541RT」とクアッドポートの「VSC8574RT」は、最大1Gビット/秒のデータレートをサポートしていて、ミッションクリティカルな宇宙用途において信頼性の高いデータリンクを可能にする。
QML Class P/ESCC 9000P認証の取得には、Total Ionizing Dose(TID)試験やSingle Event Effects(SEE)評価といった厳格な試験が含まれていて、宇宙の過酷な放射線環境にデバイスが耐えられることを検証する。この認証はまた、長期供給性やトレーサビリティ、一貫した性能が確保されていることも保証する。
VSC8541RTおよびVSC8574RTは、100krad(Si)のTIDに耐え、125℃においてLETが78MeV・cm2/mg未満の条件ではシングルイベントラッチアップが発生しないことが確認されている。VSC8541RTは、MII、RMII、RGMII、GMIIのMACインタフェースをサポートする単一のEthernet銅線ポートを統合している。一方、VSC8574RTは、SGMIIおよびQSGMIIのMACインタフェースを備えた、銅線/光ファイバー対応のデュアルメディアポートを4ポート搭載している。低消費電力で広い動作温度範囲に対応していることから、熱制約や電力効率が重要となるミッションに適している。
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