超定番タイマーIC「555」の周波数直線性を改善する:Design Ideas アナログ機能回路(1/2 ページ)
今回の回路アイデアは、超定番タイマーIC「555」の周波数直線性を改善するものだ。
バイポーラ版で50年以上、CMOS版でもそのちょうど半分にわたって継続生産されてきたことを考えれば、由緒ある「555」アナログタイマーICの価値と汎用性に疑問を差し挟む余地も理由も、もはやほとんどない。だが、もし重大な制約が1つあるとすれば、それはおそらく動作速度の面だろう。
それでも、「LMC555」のデータシートには、かなり分かりにくい脚注ではあるものの、3MHzという印象的な性能が記されている。詳細(3MHzの試験回路を含む)は、この2024年版データシート(外部リンク)の6ページにあるFigure 6-2に示されている。
数十年前の低消費電力アナログ部品が3MHzで動作するのであれば、なかなか立派なことだ。これは、精密な5桁(5decades) 1MHz 電流制御発振器として図1の実に単純明快なトポロジーが成り立つことを示唆している。
F=1/(Vth Ct/Ic)=1/(3.33vCt/Ic)=1000MHz Ic
図1のLMC555は、外付け部品2点だけで電流制御発振器として機能している。周波数範囲は10Hzから(およそ)1MHzまでの5桁にわたる。実にすばらしい。
しかし、ちょっと待ってほしい。この「およそ」とはいったい何だろうか。どの程度問題になるのか。さらに重要なのは、もし問題であるなら、どう補正すればよいのかという点である。以下に説明する。
データシートで一般的に使われるLMC555の発振周波数(FOO)の式は次の通りだ。
FOO=1/(ln(2)RC)=1/(ln(2)(Ra+2Rb)C)
だが、Figure 6-2の3MHz試験回路では、Ra=470、Rb=200、C=200pFとなっている。これらの値をデータシートの計算式に代入すると、RC時定数は121nsとなり、発振周波数は3MHzどころか、そのほぼ3倍の値になるはずだと予測される。
FOO=1/(ln(2)((470+400)200pF)=1/120.8ns=8.28 MHz
ここで疑問が浮かぶ。もし実際の上限が3MHzであるなら、失われた5MHzはいったいどこへ消えたのだろうか。
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