静電容量式センサーほどシンプルな電気機械式センサーは想像しにくいかもしれない。これは、誘電体(例えば空気)で隔てられた2枚のプレート(検出対象が導電性の場合は1枚)で構成されている。センサーの静電容量は、おおよそC = 8.854pF S/dで表される。Sはプレートの面積、dはプレート間の距離(いずれもメートル単位)である。
ここで、もっともらしい例を挙げておきたい。直径38mmの円形プレートを使用し、初期の板間距離を1mmとした場合、公称静電容量はC = 8.854pF × 0.0382 × π / 4 / 0.001 = 10pFとなる。Cの値は、3.3pF(d = 3mm)〜33pF(d = 0.3mm)の範囲になるが、少し計算すれば、これを電極間の距離に変換できる。では、Cをどのように測定すればよいだろうか。
そのためには、インタフェース回路が必要になる。図1に示す回路は、静電容量式センサー自体のシンプルさに合わせて、8つの安価な市販部品だけで構成した簡素なものだ。その仕組みは以下の通りである。
図1:U1aとU1bを相互に接続したシュミットトリガータイマーは、周波数が最大1MHzのRCマルチバイブレーターを構成する。この例のセンサーのサイズは、出力デューティ比 x = Out / 5V = d/(d + 1mm) となる。従って、d = x/(1 - x)である
U1aとU2aは、時定数がR1Csenseに等しいRCタイマーを構成し、U1bとU2bはR2Crefに対して同様の役割を果たす。図1に示すようにこれらを相互接続すると、方形波発振器が形成される。U1のピン3における約1MHzの周期は、Tref = 50ksec、Cref = 500nsの場合には+Vで、Tsense = 50ksec、Csense = 500ns / d(ここでdは前述の通りミリメートル単位で測定される)の場合には0Vで保持される。
従って出力デューティ比「x」は、Tref / (Tref + Tsense) = 500ns / (500ns + 500ns / d) = 1/(1 + 1/d) = d/(d + 1) となる。x = d/(d + 1) から始まって、少し整理すると x(d + 1) = d となり、次に xd + x = d、x = d(1 - x)、そして最終的に d = x/(1 - x) となる。図2は、出力信号が12ビットA-Dコンバーター(ADC)に入力された場合の計算結果を示している。
図2 このグラフは、出力を、基準電圧+5Vで動作する12ビットADCに入力した場合のセンサーの性能を示している。黒の曲線(左軸)はプレート間隔(d)をミリメートル単位で、赤の曲線(右軸)はADCの最下位ビット(LSB)の分解能をマイクロメートル単位で表している。分解能は、測定範囲の大部分において0.1%(d/1000)に近い値となっている
回路動作としては、U1のゲートが同一チップ上に配置されているので、ゲート間の整合とトラッキングが行われること、そして、接続されたADCが基準電圧として+5Vを使用する場合、デューティ比が正確にデジタル変換されることが挙げられる。アスタリスクが付いた部品(R1、R2およびCref)は高精度タイプを使用してほしい。配線やレイアウトによる寄生容量は、徹底的に低減する必要がある。
センサープレートが接触して短絡する可能性がある場合は、U2を直列コンデンサーで保護することをおすすめする。0.1uFであれば問題なく機能し、Csenseよりも十分に大きい値であるため、その精度や安定性は大きな問題にはならない。なお、必須ではないが、バランスよく見えるよう考慮すると、Crefにもう一つ直列に接続することをおすすめする。
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