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タップ式高入力コンバーター(1)基本回路とその動作たった2つの式で始めるDC/DCコンバーターの設計(31)(1/3 ページ)

今回はタップを設けたチョークを使用して高入力電圧に対応したDC/DCコンバーターを紹介します。

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 前回は昇圧型DC/DCコンバーターの動作波形解析解析を通じて伝達関数のハイブーストの特性を確認しました。このハイブースト特性は電流連続型のON/OFFコンバーター特有の問題です。RCCや電流不連続型のON/OFFコンバーターでは発生しませんので安定性を重視するなら電流不連続モードで使用することも1案であることも併せて紹介しました。
 3種の基本コンバーターについては前回で終わりとし、今回は応用としてタップを設けたチョークを使用して高入力電圧に対応したDC/DCコンバーターを紹介します。

高入力DC/DCコンバーターの課題

 家庭用電子機器には電子炊飯器のように外部との通信はしないがCPU制御が必要といった機器があります。このような機器ではロジック回路、制御回路、CPU用に3.3〜5Vの電源を使用します。ですがこの電源として入力電圧195VDCまで対応している必要があり、一般的にはこのような要求に対応した表1のような電源回路を用います。それぞれ一長一短の点があります。

No. 名称 回路特徴 得失
1 高入力時VIN切り離し式
3端子レギュレーター
通電角180度中、3端子レギュレーターの許容入力電圧以下となる0度近辺だけをVIN端子に与え、高入力時は切り離す。 通電角が狭くなる。許容入力35Vの3端子レギュレーターをAC138Vで使用時、通電角が0V近傍の±10度強に制限され、180度中160度近くを平滑キャパシターの蓄積電力でまかなう必要がある。
基本がシリーズレギュレーターなので熱が出る。
2 リアクタンスによる
電圧降下を利用した
3端子レギュレーター
キャパシターのインピーダンスを利用して電圧を下げて整流し、ZDで5Vを作る 数百mW以下程度の電源に限られる。
安定化作用がACのピーク電圧近傍に限られるので通電角が狭くり、平滑キャパシターが必要。
3 ステップダウン
DC/DCコンバーター
通常のステップダウン式DC/DCコンバーターを高入力仕様に対応させたもの Vo=Vcc×δであるため、高入力時にδが極端に狭くなる。δ=5/195=2.5%となって高周波駆動では制御が難しくなる。
4 トランス式SW電源 一般のSW電源で絶縁を1次側回路のみに緩和したもの 部品点数、価格の面で不利になる。
最大入力時にδが小さくなるのである程度の入力電圧平滑キャパシターが必要
表1:1次側CPU電源の構成比較

 その他、対称となる機器には次のようなものが挙げられます。

  • リモコン付き扇風機・サーキュレーター
  • 電子制御式温度コントローラー付き電気毛布・電気カーペット
  • 超音波式など、加湿器(小型の制御基板用)
  • 低コストモデルの温水洗浄便座の操作部

 これらの機器では電源全体を1次側として扱うためユーザーが操作するパネルと電源の間は安全を確保するのに必要な絶縁を確保する方式を採ります。光リモコンは光で通信しますので使用可能です。

*米国などのAC120V地域では電源の入力変動を加味して120×1.15×1.41=195VDC

 これらの得失の比較から

  • 高入力に対応し
  • 幅広い入力電圧に対応し、なおかつ
  • 部品点数が少ない回路

が求められ、このような要求に対応する回路として今回説明するタップ式DC/DCコンバーターがあります。

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