低周波ノイズ抑制に効果 「Silent Switcher 3」に42V入力品が登場:高電圧対応が要求される用途に(1/2 ページ)
Analog Devicesは超低ノイズのスイッチングレギュレーター「Silent Switcher 3」の新製品として、42V対応の「LT83401/LT83402」を発表した。自動車などの高電圧対応が求められるアプリケーションに使用できるようになる。
40Vの高電圧品を投入
Analog Devices(ADI)は、同社独自のスイッチングレギュレーター技術「Silent Switcher 3」を適用した製品として、入力電圧が42Vの「LT83401/LT83402」を追加した。Silent Switcher 3の既存品種では入力電圧が16Vや18Vだったが、42V品をそろえたことで、自動車など高電圧対応が求められる新たなアプリケーションで使用できるようになる。LT83401/LT83402は、いずれも量産を開始している。
Silent Switcherは、旧Linear Technologyが、小型で高効率の電源を実現するために開発した技術だ。2013年に第1世代の「Silent Switcher 1」が、2017年に第2世代の「Silent Switcher 2」が発表され、第3世代のSilent Switcher 3は2021年に量産が始まった。
Silent Switcher 3は、電流リファレンスアーキテクチャを採用することで、特に10Hz〜100kHzのような低周波帯域で発生する出力ノイズを大幅に削減していることが特徴だ。Analog Devices パワー・システムズ・グループ デザイン・ディレクターを務めるDaniel Cheng氏は「Silent Switcher 3では、低周波ノイズ性能をデータシートに記載できるレベルにまで、ノイズを削減した」と語る。
LT83401/LT83402は、Silent Switcher 3として初めて40V以上の入力電圧に対応し、車載グレード(AEC-Q100)に準拠した製品だ。LT83401は最大出力電流が1A、LT83402は同2.5Aである。
10Hz〜100kHzにおけるノイズは、Silent Switcher 3の従来品よりもさらに低くなった。既存品の「LT83023」では4.4μVrmsだが、LT83402では2.8μVrmsまで低くなっている。「車載向けの非常に厳格なEMIテストであるCISPR 25 Class 5にも合格している」(Cheng氏)
Silent Switcher 3の製品である「LT8625S」のデータシート(図版右下)に、ノイズ性能の記載がある。左下はLDOレギュレーターのデータシート。そもそもスイッチングレギュレーターではノイズ性能をうたえるものはなかった[クリックで拡大] 出所:Analog Devices
アプリケーション事例
アプリケーションとしては、車載用有機EL(OLED)ディスプレイ、計測機器、医療機器などを想定する。
特に高精細のOLEDは、電源ノイズに対して非常に敏感という特性がある。さらに、近年、自動車のコックピットにはより大型のディスプレイが搭載されるようになっているので、高性能かつ低ノイズのスイッチングレギュレーターへのニーズが高まっているとCheng氏は説明する。
その他、計測機器のパワーアンプ用バイアス電源や、医療機器のAFE(Analog Front End)などもターゲットになる。

左=車載用OLEDディスプレイでの適用例/右=医療機器用AFEでの適用例。医療機器のAFEは低周波ノイズに敏感なので、従来はプリント基板(PCB)を2枚用いて、その間を絶縁することでノイズを遮っていた。LT83401/LT83402を使うと、LDOが不要になるのでPCB1枚に実装できる[クリックで拡大]今後はSS3のラインアップを拡充する他、Cheng氏によれば「Silent Switcher 4」の開発計画もあるという。ただし同氏は詳細についての言及は控えた。
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![「Silent Switcher 3」の既存品と「LT83401/LT83402」の入力電圧/出力電流、パッケージ一覧[クリックで拡大] 出所:Analog Devices](https://image.itmedia.co.jp/edn/articles/2608/05/mm260805_adi01.jpg)
