リチウムイオン電池を10%軽量化 東レの集電体用フィルム:集電体は60%軽量化
東レは、酸化・還元耐性、金属密着性、機械特性、熱特性を兼ね備えた、負極集電体用フィルムを開発したと発表した。従来の銅箔に比べて集電体の重量を約50〜60%削減でき、電池セル全体でも約10%の軽量化を見込む。
東レは2026年7月、酸化・還元耐性、金属密着性、機械特性、熱特性を兼ね備えた負極集電体用フィルムを開発したと発表した。従来の銅箔の代替としてリチウムイオン電池の負極集電体に適用でき、軽量化に寄与する。
同フィルムの開発には、異なる高分子を複合化したポリマーアロイを用いた高分子設計技術と、フィルム製膜技術による高次構造制御を活用。集電体材料に必要となる4つの特性を満たした樹脂フィルム基材を開発した。
集電体の重量を約50〜60%削減
従来の銅箔に比べ、同フィルムを適用することで集電体の重量を約50〜60%削減できる。電池セル全体でも、約10%の軽量化を見込む。同社の試算では、軽量化で生じた重量余力で活物質を増量することで、電気自動車(EV)の航続距離が最大約10%延伸するという。
同フィルムを適用した負極用フィルム集電体は、優れた耐還元性に加え、銅層との高い密着性、銅箔と同等の強度と低熱収縮性を備える。実電池評価では、従来の銅箔集電体と同等の性能を確認している。
重量エネルギー密度の向上により、モバイル機器の駆動時間延長、ドローンやEVの電力消費効率の向上が見込まれる。銅の使用量削減により、材料コストの安定化にも寄与する。
同社はすでに、標準グレードとなる厚さ4.5μmのサンプル提供を開始している。今後は薄膜化を検討しつつ、モバイル機器、ドローン、電気垂直離着陸機(eVTOL)などの中小型電池や、EV、ESS(エネルギー貯蔵装置)など大型電池への適用を検討する。
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