タップ式高入力コンバーター(2)設計条件:たった2つの式で始めるDC/DCコンバーターの設計(32)(1/3 ページ)
今回はタップ付きDC/DCコンバーターについて、入力電圧とδの関係を調べるとともに各種半導体の要求特性を検討します。
前回は家庭用電子機器などに用いられるタップ付きDC/DCコンバーターについて概要を説明しました。
今回は入力電圧とδの関係を調べるとともに各種半導体の要求特性を検討します。
前回の補足
前回のチョーク電流の計算式で説明が不足していた箇所がありましたので補足します。
チョーク電流の平衡条件として次の1式を取り上げました。
この式はチョークの磁束変化をすべてL2に換算したときの式ですがその点の説明が抜けていました。
オン時の実際の磁束変化はL1とL2が磁気結合したトランスの状態で発生します。インダクタンスLは巻き回数Nの2乗とインダクション係数ALの積で求めるので総合インダクタンスLTは2式になります。
この式でN1、N2はL1、L2のそれぞれの巻き回数です。
この式は結合の様子を表す結合係数kを1とした理想インダクタンスになります。
またチョークの磁束変化はN×ΔIに比例します。この磁束変化はオン時とオフ時で等しくならないとコアが飽和するのでL2で観測できる電流変化は3式になります(オン時は全巻き線を使います)。
回路定数
図1に今回使用する回路図を示します。
設計定数
L1 巻き回数 N1=53T、11.236mH
L2 巻き回数 N2=5T、100μH、
LT=11.236+0.1+2×√(11.236×0.1)=13.456mH
N1、N2分圧比α α=0.0862
としてVcc=140V時δ=0.3になるように設定しました。
※図中のR2はS1オフ時にL1が開放に近くになってSpiceが発散するのを避けるためにL1の節点Dを接地へ導くためのものです。時比率などを計算するだけであれば必要ありません。
図1の回路でオン時比率δを求める式は前回示した通り4式です。
前回の計算で140V入力時にδ=0.3になるように巻き回数αを決定しました。今回はこの条件下でVccを変化させてδがどのように変化するかを調べていきます。
計算例
最大入力時Vcc=50VDC 時のδは4式を使って
と計算できます。その他の入力電圧についても同様に計算した結果を図2にを示します。この図ではL1の巻き回数(N1)をパラメーターにしています。
図2から次のことが分かります。
- N1を増やすとδの変化が緩やかになる。
- N1を変化させてもδ=1になるになる入力電圧は変化しない。これはスイッチS1がδ=1、つまり連続導通状態になればVout=Vccになるのは当然の結果です。
- L1が無い場合、Vcc=200Vでδが2.5%になり、実質的に高周波駆動ができなくなる。
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