航空宇宙/防衛分野でMRAM採用が加速する?:EverspinとTeledyneの提携が示す
Teledyne HiRel SemiconductorsとEverspin Technologiesが、磁気抵抗メモリ(MRAM)ソリューションで提携を発表した。この提携は、航空宇宙や防衛などの分野において、MRAMの採用を加速するきっかけになるかもしれない。
RAMのようなアクセス性と不揮発性を兼ね備え、設計アーキテクチャの簡素化に貢献する磁気抵抗メモリ(MRAM)は、航空宇宙、防衛、その他の要求の厳しいシステム分野で着実に普及が進んでいる。Teledyne Aerospace & Defense Electronics傘下のTeledyne HiRel Semiconductors(以下、Teledyne HiRel)は、航空宇宙、防衛、産業用途向け不揮発性メモリ製品群にEverspin Technologies(以下、Everspin)のPERSYST STT-MRAMを追加した。
米国アリゾナ州チャンドラーに拠点を置くEverspin Technologiesは、MRAMソリューションを手掛ける。同社の256Mビット PERSYST STT-MRAM(スピン注入磁化反転型磁気メモリ)は、RAMと同等レベルの読み出し速度を持ち、電源喪失やシステムリセット、予期せぬ中断があっても、データを保持できる性能を兼ね備えた不揮発メモリだ。
Teledyne HiRelは、まずはEverspinの256Mb PERSYST STT-MRAMを、軍用および航空宇宙システム向けメモリ製品群の一部として提供する予定だ。対象となるアプリケーションは、航空電子機器、VPXおよびシングルボードコンピュータ(SBC)プラットフォーム、レーダーおよび電子戦ペイロード、衛星電子機器、自律システムなどになる。両社の提携は、将来的には64Mbおよび128Mbオプションを含む、他のPERSYST STT-MRAM製品にも拡大される予定になっている。
Teledyne HiRelは、これらのMRAM製品に対し、製品ガイダンス、スクリーニングフロー、認定文書作成、調達支援を提供する。これにより、設計エンジニアはスクリーニングに関する専門知識と供給の継続性を得られる。製品の入手可能性、ライフサイクル計画および、長期的な供給が確保されます。
なぜ、航空宇宙・防衛分野でMRAMを使うのか
MRAMは、より高速な更新や停電時のデータ損失を防ぐストレージを必要とするアプリケーションにおいて、NOR型フラッシュメモリの代替または補完として使用できる。また、バッテリーバックアップ付きSRAM、ホールドアップ電源、またはコンデンサーバックアップ付きメモリなどへの依存度を減らすことも可能だ。
つまり、PERSYST MRAMは、従来は別個の揮発性メモリ、不揮発性ストレージ、バックアップ電源、ウェアレベリング戦略、あるいは複雑なデータ保護回路を必要としていたアーキテクチャを簡素化するのに役立つ。Everspin Technologiesのプレジデント兼CEOを務めるSanjeev Aggarwal氏は「PERSYST MRAMは、耐久性、瞬時起動時のデータ保持、そして高性能動作という独自の組み合わせを実現する」と述べる。
これは、長期間の動作寿命を維持し、過酷な環境下でも信頼性の高い性能を発揮できるメモリソリューションを必要とする航空宇宙および防衛分野の設計において極めて重要だ。今回のEverspinとTeledyne HiRelの提携は、航空宇宙および防衛用途のミッションクリティカルなシステムにおけるMRAMの採用を加速するきっかけになるかもしれない。
なお、Teledyne HiRelは、2026年第4四半期(10〜12月)にカリフォルニア州ミルピタスにある工場からPERSYST MRAM製品の出荷を開始する予定だ。
【翻訳、編集:EDN Japan】
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