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登場して30年だが見えぬ先行き? ADI「Blackfin」:マイクロプロセッサ懐古録(21)(3/4 ページ)

今回こそAnalog Devices(ADI)「Blackfin」の話。Intelとの共同開発で生まれたこのプロセッサは、ADIにおいて順調に製品群が拡充されたものの、ある時期を境に新製品の投入が(筆者の知る限り)止まっている。

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汎用MCUの代替には向かない

 ただ、ここまで見てきたように、汎用MCUの代替には、あまり向いていない感じの構成である。一応、条件分岐の命令はある(IF CC JUMP:Control Codeの値を見てJUMP命令を発行する)から、これを利用して、いわゆる「普通のプログラム」を実行させることは可能だとは思うが、当初のもくろみからは、だいぶずれている気はする。とはいえ演算能力は桁違いに大きい(350MHzのADSP-21535で700MIPS相当)から、少なくとも8052では足りないような処理も力任せに実施することは可能だった。


図8:左のSPORTSとはSynchronous Serial Portsの略。外部にNOR FlashとDDRメモリを接続できるあたりがちょっと変だが、それ以外はまぁMCUっぽい(ただ内部バスは結構充実しているが)[クリックで拡大] 出所:ADI

 さて、Blackfinそのものはこのコアに周辺回路を組み合わせたものとなるのだが、こちらがかなり充実している。図8はADSP-BF54xシリーズのものだが、最初のADSP-21535などPCI BusのI/Fまで持っていた(図9)


IrDAポートがあるあたりに時代を感じるが、それはともかくPCIやIrDAを持ち、外部メモリI/Fを持つMCUというのも正直用途が見当つかない。PCI Hostにするにはちょっと非力な気もするので、PCI Device向けなのだろうが[クリックで拡大] 出所:ADI

 そのADSP-20535だと合計で308KBものSRAMを内蔵しており、もうMCUの枠を超えてアプリケーションプロセッサに近い。この辺はもうXScaleに近い感じであるが、MMUを持っておらずMPUのみなので、RTOSは動作可能でも通常のOSの稼働はちょっと難しいという問題はある。とはいえ、一応動作モードとしてUser/Supervisor/Emulationという3種類の動作モードを持っており、Embedded Processorとしては必要最低限の機能は保持していた。実際ADIによるBlackfinの説明ページでは明確に"Blackfin Processors are a new breed of 16-32-bit embedded microprocessor"と述べられており、DSP的な要素を残しつつもEmbedded Microprocessorという立ち位置になっている事が分かる。

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