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アクティブ・フィルタ

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アクティブ・フィルタ

 アクティブ・フィルタとは、能動素子(アクティブ・デバイス)であるオペアンプやトランジスタなどに、抵抗やコンデンサを組み合わせて構成したフィルタ回路のこと。抵抗やコンデンサなどの受動素子だけで構成したパッシブ・フィルタと同様に、低域通過(ローパス)フィルタや高域通過(ハイパス)フィルタ、帯域通過(バンドパス)フィルタ、帯域阻止(バンドストップ)フィルタなどのさまざまなフィルタ構成を実現できる。

 パッシブ・フィルタと比較すると、増幅機能を付加できる、ロールオフ特性を高められる、などのメリットがある。その一方で、回路構成が複雑になるため設計が難しくなる、オペアンプを使うため高周波領域への対応が困難といったデメリットがあるので注意が必要だ。

フィルタ応答は一長一短

 アクティブ・フィルタにおいて重要な特性としては、例えばローパス・フィルタでは、カットオフ(遮断)周波数、通過帯域のリップル、ロールオフ特性(減衰の傾き)、阻止帯域の減衰量、阻止帯域のリップル、位相応答、群遅延などが挙げられる。設計時に注意すべき特性は決して少なくない。

表1
表1 フィルタ応答の長所と短所

 ただし、アクティブ・フィルタは過去の研究開発によって、さまざまなタイプのフィルタ特性(フィルタ応答)が考案されている。実際に、アクティブ・フィルタを設計する際には、こうしたフィルタ応答を活用すると便利だ。ここではチェビシェフ特性、バタワース特性、ベッセル特性、エリプティック(楕円)、ルジャンドル特性といった代表的なフィルタ応答を紹介しよう(表1)。

 チェビシェフ特性の特徴は、通過帯域から阻止帯域に移行する際の減衰量の傾きの大きい、すなわちロールオフ特性に優れたフィルタを実現できることにある。ただし、その一方で欠点もある。通過帯域、もしくは阻止帯域のいずれかに大きなリップルが現れることである。従って、通過帯域の平坦度(フラットネス)が必要な場合には、使いづらいフィルタ応答だといえる。

 バタワース特性は、このチェビシェフ特性の逆の特徴を持つ。つまり、通過帯域にはリップルがないフラットネスの高いフィルタが得られる一方で、ロールオフ特性はかなり緩やかになってしまう。

 ベッセル特性も、ロールオフ特性が緩やかなフィルタしか実現できない。しかし、かなり広い周波数帯域において一定の群遅延が得られるというメリットがある。このため、通過する信号に発生する歪みは小さくなる。  エリプティック特性の特徴は、チェビシェフ特性よりも急峻なロールオフ特性が得られる点にある。必要な信号と、不要な信号の周波数が近いときに有効なフィルタ応答だ。しかし、通過帯域と阻止帯域両方にリップルが現れてしまう。

 最後のルジャンドル特性も、非常に急峻なロールオフ特性が得られることが特徴である。その反面、通過帯域内の減衰量が若干大きくなるという欠点を持つ。

 なお、各フィルタ応答には次数というパラメータがある。一般に次数を高めるとロールオフ特性を急峻にできるものの、通過帯域や阻止帯域のリップルが大きくなる傾向にある。従って、次数はいたずらに高めるのではなく、必要なフィルタ特性が得られる範囲に抑えるべきである。

専用ツールで、回路設計を簡略化

図1
図1 サレンキー回路
サレンキー型低域通過(ローパス)フィルタの回路構成である。

 今回紹介したフィルタ応答は、回路形式が一義に決まっているわけではない。従って、フィルタ応答が決まった後は、実際の回路を設計する必要がある。代表的な回路形式としては、サレンキー、バイカッド、フリーゲ、状態変数、多重帰還などが挙げられる(図1)。

 最近は、こうした回路設計を簡略化するツールが、各アナログ半導体ベンダーから提供されている。例えば、米ナショナル・セミコンダクター社では、オンライン設計支援ツール「WEBENCH® Active Filter Designer」を用意している。このツールに、カットオフ周波数や通過帯域のリップル、阻止帯域の減衰量などの情報を入力すると、それを満足するフィルタ応答が表示される。その中から最適なフィルタ特性を選ぶと、フィルタ回路が自動的に設計される。アクティブ・フィルタが抱える「回路設計が難しい」という欠点を解決することができるツールと言えるだろう。


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アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日

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