パルス電流と交流電源の関係:超入門! イチから覚える電源回路(8)(1/2 ページ)
これまでの連載で、電流制御コンバータには三角波のようなパルス状の電流が流れることが分かりました。今回は、そのパルス電流と交流電源の関係について解説します。
前回まで、スイッチング回路による電流制御コンバータには、どの様な電流が流れるかを見てきました。
その結果、コンバータには三角波のようなパルス状の電流が流れることが分かりました。この様子を充電器回路を例にとって図1に示します。
図1はコンバータの時間スケールを電源のスケールと3けた違えています。入力のスケール(一周期)は20mS、コンバータの動作周波数を250kHzとして1周期は4μSと見てください。
ここで、電池への充電電流は三角波電流IDの平均値IBとなります。もちろん、この値が一定になるように制御します。
図1では、コンバータのスイッチング電流IQを三角波で示しています。フラットな直流電流では無いではないか? ですよね。そこで、図示のようにキャパシタCの入力側の電流が、青い線で表した様な電流Idであればどうでしょうか?
この電流を電源から供給できれば、入力電流は青い線で描いた様な電流となり、コンバータは定電流素子と同じ働きとなります。そうです、狙っている効率の良い定電流回路とすることができます。
実際はIacのようにキャパシタへの充電電流が加算された形になりますが、結局、コンデンサインプット回路のような巨大な電流にはならず、電源に優しい形になるのです。
ここで、図示のような平均電流Idとするためにはフィルタ(インダクタと考えて良いです)に流れる電流を最低限連続した電流としなければなりません、では、ローパスフィルタを付けて回路設計終わり! なんですが、電力の伝送回路ですので、もう少しお付き合いください。
図2に、コンバータでQに流れる電流の波形を示します。FETの電流IQを三角波として考えましょう。IQの平均値はコンバータの動作周期Tで考えるとデューティはDですので、平均電流Id=D×IQP/2となります。
ここで、仮定として交流からIdのようなフラットな電流を供給するとします。このフラットの意味をもう少し考えて見ましょう。目的はコンバータの動作周波数リプル電流をどの程度減らすかにあります。もちろんコンバータの断続した電流を電源にそのまま流すことは、回路的にも大きな問題があり絶対避けなくてはなりません。
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