ニュース
センサー搭載機器向け32ビットマイコン、高性能アナログ周辺回路に特徴:STマイクロ STM32 F3(2/2 ページ)
STマイクロは、Cortex-M4コアを内蔵した32ビットマイコンを拡充する。「ヘルスケア製品などへの内蔵を狙うため、デジタル演算性能はそこそこに、周辺回路は最高のものを付けた」という。
高速命令実行のためにSRAMを内蔵
なお、モーター制御などでは高速に命令を実行する必要があるため、F30には命令格納用のSRAMを最大8Kバイト内蔵した(図4)。STM32Fは、ノイマンアーキテクチャではなく、ハーバードアーキテクチャを採る*1)。つまり、データ格納用のメモリと命令格納用のメモリが完全に分離されている。データはSRAMに置き、サイズの大きな命令はフラッシュメモリに格納している。しかし、フラッシュメモリへのアクセスは低速であるため、CCM(コア結合メモリ)-SRAMを置いた。命令実行性能が52%向上するという。なお、CCM-SRAMはデータ格納のために用いることもできる。
*1) データとプログラム(命令)を同時に取得できるなど高速化に向いたプロセッサアーキテクチャ。
4.3mm角のパッケージ品も投入
STM32 F3シリーズは、内蔵フラッシュメモリのサイズ(64Kバイト、128Kバイト、256Kバイト)とパッケージの種類により、30品種に分かれる。
256Kバイトで100端子のLQFP(またはBGA)パッケージに封止したSTM32F373VC(サンプル価格3.69米ドル)と、STM32F303VC(サンプル価格3.86米ドル)は、既にサンプル出荷を開始している。それ以外の品種は2012年第3四半期にサンプル出荷を開始する予定。その後、4.6mm角のWLCSP66パッケージに封止した品種も投入する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- STマイクロが「Cortex-M0」マイコンを投入、処理性能は他社16ビット品の3倍
AV機器やインバータ制御といった用途で、8ビット/16ビットマイコンの置き換えを狙う。 - STマイクロが「Cortex-M4」マイコンを発表、動作周波数は業界最高の168MHz
32ビットマイコン「STM32 F4」シリーズを発売した。競合他社の製品と比べた場合、「ARMの『Cortex-Mシリーズ』をプロセッサコアとして採用する汎用マイコンの中で最も処理性能が高い」という。