LTE基地局試験の作業性を「画期的に改善」:ローデ・シュワルツ R&S FSHシリーズ
ローデ・シュワルツ・ジャパンは、携帯基地局の周波数試験の作業性を高めるという小型の高精度周波数基準信号発生器を発売した。対応周波数を拡張した携帯型スペクトラムアナライザも投入し、LTE基地局試験向け製品を強化する。
ローデ・シュワルツ・ジャパンは2013年4月12日から、ハンドヘルドスペクトラムアナライザによる携帯基地局の周波数試験で必要な高精度の周波数基準信号発生器として、薄さ26mm、重さ250gに小型、軽量化した「R&S FSH-Z114」を発売する。5月10日には、ハンドヘルドスペクトラムアナライザ「R&S FSHシリーズ」の周波数拡張モデル「R&S FSH13」「R&S FSH20」も発売し、LTE基地局試験向けの製品を拡充する。
R&S FSHシリーズは、無線通信施設のフィールド試験に向けた持ち運びしやすい小型アナライザとして、LTE基地局試験などに使用されている。ただ、携帯基地局の試験で使用する場合、アナライザ以外に、高精度周波数基準(ルビジウム周波数)信号発生器が必要となる。従来の周波数基準信号発生器は、アナライザ本体に匹敵するサイズだったため「携帯基地局の試験は、他のフィールド試験に比べて著しく作業性が悪かった」(同社)という。
R&S FSH-Z114は、携帯電話基地局の周波数試験で要求される0.005ppmの確度を保ちつつ、アナライザ本体に装着してもハンドヘルド性を損なわないサイズにまで小型化した。同社では「アナライザと一体化することで真のハンドヘルドを実現する」としている。価格は80万円(税別)となっている。
周波数拡張版アナライザも発売
5月発売のR&S FSH13、R&S FSH20は、スプリアス評価を必要とする基地局試験に向けて周波数範囲を拡張した。R&S FSH13の周波数範囲は9kHz〜13.6GHz、R&S FSH20は9kHz〜20GHzとなっている。価格は、148万円(税別)からで、2モデル合計で年間300台の販売を見込んでいるという。
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