LTEネットワークのMIMO評価ソフトウェア、ドライブテストとの連携が可能に:ローデ・シュワルツ R&S ROMES4.65
ローデ・シュワルツ・ジャパンが同社のドライブテストソフトウェアに新たに追加したMIMO評価機能を使えば、MIMO通信時の携帯電話基地局のカバレッジ試験を迅速に進められる。
ローデ・シュワルツ・ジャパンは2012年2月、同社のドライブテストソフトウェア「R&S ROMES4.65」に、LTE対応のMIMO(Multiple Input Multiple Output)評価機能を新たに追加した。モバイル端末のMIMO通信を想定した携帯電話基地局のカバレッジ試験を実施できようになった。価格は要問い合わせ。
2012年2月27日からスペインのバルセロナで開催される携帯電話関連の国際展示会「Mobile World Congress 2012(MWC 2012)」に同製品を出展する予定である。
R&S ROMES4.65は、同社のハイエンド無線ネットワーク・スキャナ「R&S TSMW」と組み合わせて使うことを想定したフィールド試験用テストソフトウェアである。無線ネットワーク・スキャナは、携帯電話基地局から放射された電波を受信し、復調処理を施す役割を担う測定器。「SINR(Signal to Interference and Noise power Ratio)」や「RSRP(Reference Signal Received Power)」、「RSRQ(Reference Signal Received Quality)」といった携帯電話基地局の無線品質に関する各種指標を算出し、PCにインストールされたドライブテストソフトウェアに送る。
ドライブテストソフトウェアでは、地図上に各種指標をマッピングするといった表示処理や、各種解析処理を施す。新たに、ドライブテストソフトウェアにLTE対応のMIMO評価機能を追加したことで、「LTEネットワークにおけるMIMO通信のパフォーマンス低下を引き起こす干渉状況を、素早く特定することが可能になった」(同社)。
測定した各チャネルの複素行列データは、他社のフェージング・シミュレータで使用できる。これによって、研究室内で実際のモバイル無線ネットワーク環境を再現できるので、効率的な試験環境の構築に役立つという。
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