プログラマブルなアナログIC「Smart Analog」の2.2V動作対応版を製品化:ルネサス Smart Analog IC
ルネサスは、アナログ回路構成、特性を変更できる「Smart Analog IC」の低電圧、低消費電力版「300シリーズ」を製品化した。電池駆動の機器にも搭載できるようになったという。
ルネサスエレクトロニクスは2013年4月22日、アナログ回路の構成、特性をマイコンからの制御で変更できる「Smart Analog(スマート アナログ)IC」の低電圧、低消費電力版「Smart Analog IC300シリーズ」2品種を発表した。動作下限電圧を従来の3Vから2.2Vへ引き下げ、消費電力も従来の62mWを22.4mWに抑えた。4月からサンプル出荷を開始し、6月から量産する。サンプル価格は回路構成可変型「RAA730300」が520円、計装アンプ固定型「RAA730301」が350円となっている。
Smart Analog ICは、センサーとマイコンの間に位置するアナログフロントエンド(AFE)回路を1チップ化した製品であり、IC内部の回路構成や特性をマイコンからの制御により、変更できる機能を持つ。回路構成可変型の製品であれば、反転アンプ、非反転アンプ、I/V変換、計装アンプを実現でき、それらのオフセット電圧も調整できる。構成、特性の変更は動作中にも行え、電圧、電流、差動といった出力形式が異なる複数のセンサーのAFE回路を1つのSmart Analog ICで構成することもできる。同社によると、AFE回路をオペアンプなどディスクリート部品で構成した場合に比べ、部品点数で約90%、基板サイズで約75%削減できるという。
新製品のSmart Analog IC300シリーズは、従来製品では3.0〜5.5Vだった動作電圧範囲を2.2〜3.6Vに低電圧化し、全てのアンプでレールtoレール入力機能を備えた。消費電力も22.4mWまで抑えたことで、「電池駆動のセンサー搭載機器などへの応用も可能になった」(同社)としている。
なお、同社は2013年5月8〜10日の3日間、東京ビッグサイトで開催される「第16回 組込みシステム開発技術展(ESEC2013)」に出展し、新製品の評価ボードと開発環境の展示を行う予定だ。
第16回 組込みシステム開発技術展(ESEC2013)
会期 | 2013年5月8日(水)〜10日(金) |
---|---|
時間 | 10:00〜18:00(10日(金)のみ17:00に終了) |
会場 | 東京ビッグサイト |
ルネサス・ブースNo. | 西 12-77 |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「Cortex-M0」を搭載する「PSoC」、待機時の消費電流は150nA
Cypress SemiconductorのプログラマブルSoC「PSoC 4」は、プロセッサコアにARMの「Cortex-M0」を搭載する。待機時の消費電流が150nAと小さく、ストップモードでは消費電流を20nAに抑えることができる。一方で、動作電源電圧範囲は1.71〜5.5Vと広い。 - 「RXファミリ」の超低消費電力版マイコン第1弾
ルネサスは、「RXファミリ」の超低消費電力版製品として、USBなど多くの通信機能を搭載した「RX111グループ」31品種を製品化した。ヘルスケア機器やスマートメーター、産業機器などでの応用を見込む。 - 構成/特性可変アナログIC「Smart Analog」に向けた無償のWebシミュレータが登場
「Renesas VA」は、回路構成や特性をマイコン制御で変更可能なルネサスのアナログIC「Smart Analog」に向けた、Webシミュレーションツールである。市販のセンサー素子のモデルを数多くとりそろえており、それらセンサーとSmart Analogを組み合わせたシステムの動作を手軽に検証できる。