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TDK、スマホ向け小型インダクタを提案TECHNO-FRONTIER 2013

TDKは「TECHNO-FRONTIER 2013」(テクノフロンティア2013)で、スマートフォン/タブレット端末向けに「業界最高水準」という高Qの高周波回路用インダクタや金属磁性材料を使ったパワーインダクタを展示した。

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 TDKは「TECHNO-FRONTIER 2013」(2013年7月17〜19日)で、スマートフォン/タブレット端末向けの小型インダクタの新製品/開発品の展示を行った。

高Qの0603品

 その1つ、積層工法を用いた高周波回路用インダクタ「MHQ0603Pシリーズ」は、0.65×0.35×0.35mmサイズ(0603サイズ)で、1GHzのQ*)特性が35(インダクタンス3.9nH品)という「業界最高水準」(TDK)のQ特性を達成した。従来の0603サイズ品(型番:MLG0603W)と比べQ特性は25%向上している。このQ値は、「巻き線工法の同等サイズに相当する高い値」としている。

*)任意の周波数における誘電性リアクタンスと抵抗の比率を表し、その効率性を数値化したもの。Qの値が高いほど、損失の少ない理想的なインダクタとしての特性を備える。(TDKの製品リリースより)

 新製品は、新たな誘電材料と内部電極材料を用いることで、内部電極の表面粗さを滑らかにし、高周波損失抵抗を抑えた。同時に、浮遊容量を抑えるためコイルを実装基板から離れるように配置するなどの独自の構造設計を採用したことで、小型サイズながら高いQ値を実現したという。

左は、高周波回路用インダクタ「MHQ0603Pシリーズ」。右は、MHQ0603Pシリーズが採用する独自構造を紹介したパネル。より大きな磁束を発生させるよう電極の配置を工夫したり、電極を圧膜化で抵抗分を下げたりしている (クリックで拡大)

金属磁性材料パワーインダクタ

 TDKブースでは、参考出品として金属磁性材料を使用した巻き線、磁気シールドタイプのパワーインダクタ(開発中)の展示も実施した。

 小型パワーインダクタには、主にフェライトが用いられてきた。しかし、フェライトは、金属系の磁性材料に比べて飽和磁束密度が小さいため、コイルに流す直流電流を高めると一定のところで、インダクタンスが急速に低下するという課題があった。スマートフォンなどに使用されるプロセッサなどはより大きな電流を必要とするようになり、小型インダクタでも大電流に対応するために金属磁性材料を使ったインダクタの開発が進められている。

左は、金属磁性材料によるパワーインダクタ「VLS201610HB-LRシリーズ」。右が、従来のフェライト品との直流重畳特性比較 出典:TDK (クリックで拡大)

 今回、TDKが展示した金属磁性材料によるパワーインダクタは、2.0×1.6×1.0mmというサイズの「VLS201610HB-LRシリーズ」。従来のフェライトタイプの製品(型番:VLS201610MNT)と同じランドパターンを実現した点が特徴。「金属磁性材料によるパワーインダクタは、フェライト品と異なる形状の製品が多かった」(TDK)という中で、簡単に金属磁性材料品に置き換えられる利点を持たせた。同時に、シンプルな製品構造を実現し「高品質、高生産性による安定供給が可能」としている。

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