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70℃/5年の長期信頼性を実現、村田製作所の薄型「電気二重層キャパシタ」:村田製作所 DMTシリーズ
村田製作所の「DMTシリーズ」は、パッケージ厚が3.5mmと薄型で、等価直列抵抗(ESR:Equivalent Series Resistance)が130mΩと小さく、その上70℃環境で5年の長期信頼性を実現した電気二重層キャパシタである。
村田製作所は2013年9月、パッケージ厚が3.5mmと薄型で、等価直列抵抗(ESR:Equivalent Series Resistance)が130mΩと小さく、その上70℃環境で5年の長期信頼性を実現した電気二重層キャパシタ「DMTシリーズ」を発表した。フラッシュメモリを実装したSSD(Solid State Drive)のバックアップや、電力やガスの使用量を計量するスマートメーターのパワーアシストといった用途に向ける。既に8月から福井村田製作所で量産を実施している。
同社はこれまでも、電気二重層キャパシタとして薄型サイズの「DMFシリーズ」などを供給してきた。外形寸法が21.0×14.0mm、厚みは3.5mmでDMFシリーズと同一サイズを保ちながら、新製品のDMTシリーズは材料や設計の最適化を図り、高温環境下における特性劣化を抑えることに成功した。この結果、70℃の使用環境下で5年の長期信頼性を確保できたという。最大動作温度は85℃。
ESRは130mΩと小さく、内部構造を工夫することで高い電圧にも対応することができるなど、幅広い入出力範囲で効率の良い充放電を行うことができる。用途としては、SSDやスマートメーターをはじめ、通信システムの電源バックアップ用、エネルギハーベストの蓄電素子用など、長期信頼性が求められる機器に適した製品である。
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