「業界最高の低ノイズ特性」を誇る低消費電流CMOSオペアンプ:新日本無線 NJU77806
新日本無線は、消費電流2mA以下クラスのローパワーCMOSオペアンプとして、「業界最高の低ノイズ特性を実現した」(同社)という「NJU77806」を発表した。設計改良の他、新製造プロセスの適用により、ローパワーとローノイズを両立した。
新日本無線は2013年10月31日、消費電流2mA以下クラスのローパワーCMOSオペアンプとして、「業界最高の低ノイズ特性を実現した」(同社)という「NJU77806」を発表した。既にサンプル出荷を開始し、2013年11月から量産を実施する。サンプル価格は100円としている。
NJU77806は、低ノイズと低消費電力という相反する2つの特性を両立するCMOSオペアンプとして開発した。
回路、レイアウトを改良するとともに、作り込み精度を高めた新製造プロセスを開発、適用した。それにより、消費電流を500μA(典型値)に抑えながら、入力換算雑音電圧が5.5nV/√Hz(1kHz時/典型値)という低ノイズ特性を実現した。CMOSトランジスタ特有の1/fノイズが存在し低ノイズ化しにくい低周波領域でも、ノイズを抑え、10Hz時で入力換算雑音電圧11nV/√Hzを達成している。新日本無線では、「消費電流1mA以上の競合品に比べても、低周波領域でのノイズは大幅に低く、低消費電流タイプのCMOSオペアンプとしては業界最高の低ノイズ製品」とする。
新製品は、GBP=4.4MHzという広帯域特性を備える他、RFノイズ耐性を従来品より高め、ワイヤレスLANなどからの放射電波の影響を受けにくくした。
新日本無線では、特に低ノイズ特性が要求される人感センサーや振動センサーからの信号増幅用途の他、計測器、ノイズキャンセリング用マイクロフォンなどでの応用を見込んでいる。
電源電圧は、1.8〜5.5Vで、両電源にも対応する。パッケージは、SC-88Aを採用している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- マウスで血液酸素濃度を測定!? パルスオキシメーターの応用範囲を広げるセンサー
新日本無線は、血液酸素濃度を測るパルスオキシメーターや脈拍計などに向けて反射型のフォトリフレクタを製品化した。従来に比べ「大幅に測定スタイルを広げる可能性のあるデバイス」(同社)とし、医療機器以外にもスポーツ器具などの用途への提案を実施していく。 - いまさら聞けないアンプ入門
さまざまな電子回路に用いられている「オペアンプ」について、その概念をあらためて解説する。(編集部) - 差動トランジスタを組み合わせて低ノイズアンプを作る
オペアンプICに個別トランジスタを“ちょい足し”して性能を高めたり機能を拡充したりできる定番回路集。今回は、オペアンプICに別パッケージの差動トランジスタを外付けして低ノイズアンプ回路を構成する手法を紹介します。最新のオペアンプICでも単体では達成できないような性能を、これにより実現することが可能です。