最大8kmの通信を実現、富士通コンポーネントの特定小電力無線モジュール:富士通コンポーネント MBH7SLZ01
「MBH7SLZ01」は、スペクトラム拡散方式を用いることで最大8kmまで安定したデータ伝送を可能とする920MHz帯の特定小電力無線モジュールである。農場や河川、トンネル監視用のテレメータやテレコントロールといった用途に向ける。
富士通コンポーネントは2014年3月、スペクトラム拡散方式を用いることで最大8kmまで安定したデータ伝送を可能とする920MHz帯の特定小電力無線モジュール「MBH7SLZ01」を発表した。2014年6月よりサンプル品の供給を始める。農場や河川、トンネル監視用のテレメータやテレコントロールといった用途に向ける。
MBH7SLZ01は、920MHz帯テレメータなど無線設備の標準規格である「ARIB STD-T108」に準拠している。変調方式としてスペクトラム拡散技術を採用することで、耐雑音特性を改善させることができた。これにより、試作品では最大8kmまで安定してデータ伝送が行えることを確認した。送信出力レベルは0〜+13dBmで切り替えが可能である。周波数帯域は200kHz、400kHz、600kHzで、伝送レートは最大18kビット/秒(600kHz時)。コントローラとのインタフェースとしてUARTを用意している。電源電圧は2.5〜3.3V。動作温度範囲は−30〜85℃である。
アンテナはモジュール本体に内蔵されており、国内電波法の認定も取得する予定なので、規格認証などに関わる工数や時間を削減することができる。外付けのアンテナを利用することも可能だ。MBH7SLZ01は、独自の通信プロトコルを採用しているため、簡単なコマンドで通信設定を行うことができるという。親機と子機の1対1通信はもとより、親機から複数の子機に対する同報通信、さらには通信の中継なども設定を変えることで可能となる。モジュールの価格はオープン。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 100Gbpsの高速伝送に対応、QSFP28アクティブ・オプティカル・ケーブル
富士通コンポーネントは、100Gビット/秒と高速伝送に対応できるマルチモードQSFP28アクティブ・オプティカル・ケーブル(AOC)のサンプル出荷を始めた。「InfiniBand EDR」や「100Gigabit Ethernet」の伝送速度に準拠しており、伝送距離は最大100mまで可能である。サーバーラック間やサーバー間といった近距離高速伝送用途に向ける。 - 容量1MビットのI2C FRAM
富士通セミコンダクターは、I2CインタフェースタイプのFRAM(強誘電体メモリ)として、同社最大となる1Mビット容量の「MB85RC1MT」のサンプル出荷を開始したと発表した。 - 富士通セミコンがGaNパワーデバイス参入、150V耐圧品をサンプル出荷
富士通セミコンダクターは、GaN(窒化ガリウム)を用いた150V耐圧パワーデバイスのサンプル出荷を開始した。同社としてGaNパワーデバイスのサンプル出荷は今回が初めて。量産開始時期は2014年中を予定している。富士通セミコンでは、GaNパワーデバイス関連事業ととして2015年度約100億円の売り上げを目指している。