D級スピーカアンプ搭載で消費電流を4割削減、音声再生機能付きマイコン:ラピスセミコンダクタ ML610Q304
ラピスセミコンダクタの「ML610Q304」は、D級スピーカアンプなど音声再生機能を1チップに集積したマイコンである。家電製品や警報機器、防犯機器、産業機器などの用途に向ける。
ロームグループのラピスセミコンダクタは2014年7月、D級スピーカアンプなど音声再生機能を1チップに集積したマイコン「ML610Q304」を発表した。家電製品や警報機器、防犯機器、産業機器などの用途に向ける。
ML610Q304は、独自の8ビットRISCマイコンコアをベースに、音声合成回路、D級スピーカアンプ、不揮発性メモリ、発振回路などを1チップに集積した。外部にスピーカを接続するだけで、音声を再生することが可能となる。特に音声再生機能をハードウェア化したことで、CPUコアの負荷を軽減することができる。また、D級スピーカアンプを搭載したことで、従来のAB級スピーカアンプを利用していた時に比べて、音声再生時の消費電流を約40%削減することができるという。
この他、10ビットA-Dコンバータや8ビットタイマなどを内蔵した。さらに、スピーカ端子の断線検知機能やショート検知機能、D級スピーカアンプ過電流防止機能などのフェールセーフ機能も搭載している。
ML610Q304の電源電圧は2.0〜5.5Vで、動作周波数は27kHz〜8.4MHz。動作温度は−40〜85℃である。パッケージは外形寸法が5×5mmの28端子WQFNで供給する。サンプル価格(税別)は100円。
同社は、同マイコン応用製品の開発や評価を行うためのリファレンスボードとソフトウェア開発環境も用意した。同社のホームページからユーザー登録すれば、必要なマニュアルや開発ツールを利用することが可能となる。
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