最大512Kバイトのフラッシュを内蔵した低コストマイコン:STマイクロ STM32F303/STM32F302
STマイクロエレクトロニクスは、32ビットマイコン「STM32F3シリーズ」にメモリ容量512Kバイトの「STM32F303」「STM32F302」を追加した。
STマイクロエレクトロニクスは2015年2月、32ビットマイコン「STM32F3シリーズ」の新製品として、「STM32F303」「STM32F302」を発表した。低コストで、高性能・高機能が求められるアプリケーション向けとなる。
最大80KバイトのSRAMも
STM32F3シリーズは、同社のARM Cortex-M4を搭載したマイコンのエントリー・レベルの製品となる。今回追加されたSTM32F303/STM32F302では、最大512Kバイトのフラッシュメモリと最大80KバイトのSRAMを内蔵した。また、高速制御に最適な高性能ペリフェラルと、外部メモリ用のインタフェースを搭載している。
さらに、シリアル通信インタフェース(SPI、I2C)の他、8/16ビットバスにおいて36MHzでアクセスするFlexible Memory Controller(FMC)を採用し、さまざまな外部メモリやLCDモジュールに対応できる。生活家電、電動工具、産業機器で使用されるマルチモータ向けのモータ制御タイマ(144MHz/16ビット)は、最大3個搭載できる。
他に、12ビットA-Dコンバータ(5Mサンプル/秒)、高速コンパレータ(25n秒)、複雑な波形に対応するWaveform Builderを備えた高速高分解能タイマ(217p秒)、非コミット型プログラマブル・ゲイン・アンプ(PGA)などの機能も追加した。
パッケージは、32〜144ピンに対応するLQFP、BGA、WLCSPの3種で、既に提供を開始しているLQFP64パッケージのSTM32F302のサンプル価格は約3.38米ドルとなる。
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