セキュリティ機能を強化したコネクテッド機器向けマイクロコントローラ:NXP LPC18Sxx/LPC43Sxx
NXPセミコンダクターズジャパンは、マイクロコントローラファミリ「LPC18Sxx」「LPC43Sxx」を発表した。AES-128暗号化エンジン、2つの128ビットOTPメモリ、乱数ジェネレータなどを集積している。
NXPセミコンダクターズジャパンは2015年2月24日、コネクテッド・アプリケーションのアプリケーション・コードやデータ・メッセージのセキュリティ機能を強化した、マイクロコントローラファミリ「LPC18Sxx」「LPC43Sxx」を発表した。
LPC18Sxx/LPC43Sxxファミリは、特に大容量高速データのリレー/ブリッジング機能を持つハブやゲートウェイ向けの製品。スマートメーター通信ハブ、FA、ビル/ホームオートメーション機器、オーディオ製品、アフターマーケット車載部品などの機器での使用に対応するという。
AES-128暗号化エンジン、128ビットOTPメモリなどを集積
LPC18Sxx/LPC43Sxxファミリには、高速な大容量バルクメッセージ転送を可能とするAES-128暗号化エンジン、クローニング防止のための暗号化とハードウェアによる乱数化用キー保存を目的とした2つの128ビット不揮発性OTP(1回書き込み)メモリ、乱数ジェネレータ、セキュアな起動をサポートする起動ROMドライバを集積した。プロセッサは、LPC18SxxではCortex-M3、LPC43SxxではCortex-M4とCortex-M0を採用。これにより、通信速度を低下させず、大容量データの高速な暗号化/復号を可能にする帯域幅を確保したという。内部フラッシュ・メモリへの不正アクセスを防ぐ、コード読出保護(CRP)機能も内蔵している。
さらに、ファームウェアのアップデート、IoTコネクティビティ、ネットワーキング・スタック(SSL、TLS)をよりセキュアにするため、提携企業が開発したソフトウェアによるサポートも提供。NXP Aシリーズのセキュアエレメントとの連係により、改ざん検出、RSA・ECCなどの暗号化された公開鍵による認証と認証保存などの機能を追加するターンキー・ソリューションもある。
また、LPCマイクロコントローラやNXP A7001CMセキュアエレメントの他、多数のコネクティビティ・インタフェースと開発/デバッグ用のインタフェースを搭載した評価ボード「LPCXpresso18S37」「LPCXPresso43S37」も提供するという。
パッケージは、複数サイズのLQFP、BGAパッケージで、単価は4000個で3米ドルからとなる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- フリースケール買収のNXP、車載半導体で首位ルネサスに肉薄か――世界半導体シェアは7位へ
NXP Semiconductors(以下、NXP)がFreescale Semiconductor(以下、フリースケール)を買収することになった。買収後のNXPの売上高は1兆円を超える規模に達し、世界シェア7位、車載半導体では首位ルネサス エレクトロニクスに匹敵する売り上げ規模となる。 - NXP CEOに聞く“フリースケール買収の舞台裏”
NXPセミコンダクターズによるフリースケール・セミコンダクタの買収は、半導体業界から大きな注目を集めている。スペイン バルセロナで開催中の「Mobile World Congress (MWC) 2015」にて、NXPのCEOを務めるRick Clemmer氏に今回の買収について聞いた。 - そもそも「マイコン」って何?
マイコンを使いこなすために知っておくべき基本用語を毎回1つずつ取り上げて解説する新連載がスタート!! 第1回目の今回は、「そもそも“マイコン”って何?」という問い掛けから、マイコンの実態や応用分野、具体的な働きについて紹介します。 - フォルクスワーゲンがCANからコモンモードフィルタを省略、NXP製トランシーバで
NXP Semiconductorsは、同社のCAN(Controller Area Network)トランシーバIC「Mantis」が、フォルクスワーゲンからコモンモードフィルタなしでの使用が可能という認証を受けたと発表した。 - 3チャネル同時データ受信可能な車載用UHFトランシーバ
NXPセミコンダクターズは、車載用UHFトランシーバICとして、「業界初」(同社)というマルチチャネルで同時にデータ受信できる機能を搭載した「NCK2983」を発表した。同時受信機能は最大3チャネルで行える。