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4スイッチ同期整流方式の昇降圧DC-DCコントローラ:日本TI LM5175
日本テキサス・インスツルメンツは、広い入力電圧範囲の4スイッチ同期整流方式を採用した昇降圧DC-DCコントローラ「LM5175」を発表した。入力電圧範囲は3.5〜42V、出力電圧範囲は0.8〜55Vとなる。
日本テキサス・インスツルメンツは2015年3月24日、広範な入力電圧範囲を持つ4スイッチ同期整流方式を採用した昇降圧DC-DCコントローラ「LM5175」を発表した。出力が数Wから100W程度の多様な降圧/昇圧/昇降圧電源回路が、1つのデバイスで可能になるという。
LM5175は、産業/車載機器向けの昇降圧DC-DCコントローラで、入力電圧3.5〜42V、出力電圧0.8〜55Vの広い入力/出力電圧範囲を持つ。絶対最大入力電圧定格は60V、動作最大入力電圧定格は42Vで、さまざまな電圧過渡波形への耐性も備えた。
独自開発のスイッチング制御方式を採用
同社独自のスイッチング制御方式により、降圧動作と昇圧動作が切り替わる動作遷移領域での変換効率を最大化。また、インダクタを1つしか使用しないため、基板実装面積を低減し、基板レイアウトを簡素化できる。
さらに、7.5V/2Aのゲート・ドライブ回路により、広い入力電圧範囲でのMOSFETのスイッチ動作の高速化と効率向上を可能にした。ピン設定が可能なヒカップモード短絡保護機能を選択することで、負荷の過電流故障による熱暴走を防止し、熱ストレスを最大でも30%程度にまで低減できる。
参考価格は、1000個受注時で単価4.25米ドルとなっている。
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