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USB 3.1/Type-Cの概要と測定の肝USB Type-Cの登場で評価試験はどう変わる?(1)(3/4 ページ)

高速伝送や電力供給(PD:Power Delivery)機能をサポートするUSB 3.1およびType-Cが登場し、注目を集めている。USB 3.1およびType-Cコネクタを搭載した機器を開発するに当たって、システム設計者が知っておくべき試験/評価方法について解説する。

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USB PD規格における5つのプロファイル

 USB 3.1/Type-C規格では、通信を行うUSB 3.1規格とは別に、PD機能についても規格化されている。これまでの一般的なUSBで供給可能な電力は、USB 2.0で5V/500mA、USB 3.1では5V/900mAとなっていた。

 これに対してType-CによるUSB PD規格では、5つのプロファイルが設定されている。基本となるプロファイル1では最大10W(5V、2A)だが、プロファイル5に対応すると最大100W(20V、5A)の給電が可能となる。このため搭載する機器やシステムによって、いずれかのプロファイルにのっとった電源設計が必要となる。

 USB PD規格が普及すると、機器専用のACアダプタが不要になり、Type-Cコネクタ対応の汎用充電器1つで電力を供給できるようになるため、ユーザーの利便性が飛躍的に高まる。しかし、一方で誤動作による事故の可能性も心配される。市場での事故を防ぐため、また互換性保証のため、PDのテストは非常に重要であるといえる。

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Type-CによるUSB PD規格では、5つのプロファイルが設定されている。プロファイル5では最大100W(20V、5A)の給電が可能となる (クリックで拡大) 出典:キーサイト

 USB 3.1/Type-C規格では、「Alternate Mode」(オルタネートモード)もサポートしている。このモードを利用すると、1つのコネクタでUSB 3.1/2.0対応の信号以外にも、DisplayPortやモバイル機器向け高速映像伝送用インタフェース「MHL」、あるいは高速汎用データ伝送用インタフェース「Thunderbolt」に対応したデータ伝送が可能となる。

 USB 3.1/Type-C向けチップセットの中には、USBコントローラやPDコントローラなどに加え、オルタネートモードを利用するためのマルチプレクサスイッチなどが含まれることもある。これらの機能を用いると、TX1/RX1レーンでUSB 3.1のデータ伝送を行い、空いているTX2/RX2レーンでDisplayPortの通信を、それぞれ同時に行うことも可能となる。

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