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DC/DCコンバータの周辺部品削減と安定化Design Ideas パワー関連と電源(2/2 ページ)

PWM方式絶縁型DC/DCコンバータの高性能フィードバック回路は多くの場合、誤差増幅器が使用される。今回は、部品点数を削減し、安定性を高めることができるフィードバック回路を紹介する。

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 図2の回路には、上述したことに加え、もう1つの工夫を盛り込んでいる。

 フォトカプラーを構成するフォトトランジスタは、ベース‐コレクタ間の接合領域が広く、その容量値が大きくなる。さらにこの容量値は、ミラー効果(Miller effect)によって見かけ上、より増幅される。その結果、帯域を制限するポールが形成され、回路の応答速度が顕著に低下してしまう。この問題は、フォトトランジスタのコレクタ‐エミッタ間電圧を一定に維持しつつ、コレクタ‐エミッタ間電流だけが変化するようにすることで解決でき、応答速度が1桁向上する。

 アクティブクランプ方式の電流モードPWMコントローラ「LM5026」(National Semiconductor社製)をIC4として使用すると、ミラー効果に起因するフォトカプラーの応答速度の低下を簡単に防止できる。図2には、LM5026内部において、通常は周波数補償用として用いられるカレントミラー回路を示してある。図のとおり、フォトカプラーIC2のコレクタとエミッタは、LM5026内部のカレントミラー回路と基準電圧源に直接接続してある。この接続によりミラー効果が低減され、その結果として帯域を制限するポールの位置が変わり、応答速度と過渡応答特性が改善される。

 図2に示したC2、C3、R1、R3の各値は、この回路条件にのみ有効なものである。

 条件が異なる場合には、以下の考え方に従って調整を行う。まず、R1はオペアンプの両入力端子のインピーダンスが等しくなるように選定する。C2は高周波ノイズに対するフィルタとして機能するので、条件に応じて容量値を変更する。C3とR3の値は、DC/DCコンバータのループゲインを計測し、その結果からゲインと位相応答が適正になるように計算して設定する。

Design Ideas〜回路設計アイデア集

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※本記事は、2008年7月29日にEDN Japan臨時増刊として発刊した「珠玉の電気回路200選」に掲載されたものです。著者の所属や社名、部品の品番などは掲載当時の情報ですので、あらかじめご了承ください。
「珠玉の電気回路200選」:EDN Japanの回路アイデア寄稿コラム「Design Ideas」を1冊にまとめたもの。2001〜2008年に掲載された記事の中から200本を厳選し、5つのカテゴリに分けて収録した。

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