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GUGENに挑戦! “点滅記憶回路”を使った点滅ライトWired, Weird(2/3 ページ)

今回は、2015年末に行われた電子工作コンテスト「GUGENコンテスト2015」に出品したオリジナル回路『点滅記憶回路』を使ったLED点滅ライトを紹介する。便利な2端子回路であり、さまざまな応用が期待できる。コンテスト参加の裏話も含めて、点滅記憶回路の仕組みをみていこう。

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シリアルオシレータとシリアルタイマーの組み合わせ

 点滅記憶回路の回路図を図2に示す。図2には電源や負荷の抵抗、LEDは記載していない。


図2 点滅記憶回路の回路図 (クリックで拡大)

 図2の回路は2端子回路になっている。回路の左半分はシリアルオシレータで、右半分はシリアルタイマーだ。この回路の動作を説明しよう。

 図2の(+)と(−)の端子には負荷を通して電流が印加されるが、電源投入時には右側のトランジスタQ4はオフになっている。コンデンサC2は負荷とダイオードD1を通して充電される。なおトランジスタQ1のベースには(+)と同じ電圧がかかりQ1もオフになっている。なお電源の電池とLED、抵抗、スイッチは直列接続され、スイッチをオンにするとLEDが点灯する。この基板の(+)端子と(−)端子はスイッチに並列に接続する。

 スイッチをオンにすればライトが点灯するが、このときにコンデンサC2にたまった電荷がトランジスタQ3のエミッタからベース間に流れ、トランジスタのQ3とQ4がオンする。スイッチをオフにしてライトを消しても、トランジスタQ4は数秒の間はオンのままなので、図3の左半分のシリアルオシレータが点滅動作を開始する。その後はシリアルオシレータがオフした瞬間にダイオードD1を通してコンデンサC2が繰り返し充電されるので、トランジスタQ3とQ4はオン状態を維持し、ライトは点滅動作を継続する。

 スイッチを長時間オンにするとコンデンサC2の電荷が徐々に放電しトランジスタQ3とQ4がオフし点滅の記憶はクリアされる。ここでスイッチをオフにするとライトが消灯する。

テクニックを要するライトへの組み込み

この基板をランチャーライトへ組み込んでみよう。ライトの分解写真を図3に示す。


図3 ライトの分解写真 (クリックで拡大)

 点滅記憶基板はランチャーライトの押しボタンスイッチに取り付けてハンダ付けするが、スイッチの配線が長い方が(+)端子側になる。この方法で6個ランチャーライトを作ってみた。しかしこの実装ではスイッチ操作に問題があった。それはスイッチのヘッド部の取り付けに無理があって、スイッチを数回押すとスイッチ部が陥没してしまった。このため基板の取り付け向きをバネ側へ変更した。図4に示す。


図4 基板の取り付け向きをバネ側へ変更したところ (クリックで拡大)

 図4の実装ではスイッチ部がヘッドにすっきり収まった。黒いゴムカバーを入れて実装すると操作が安定し、スイッチを何回押してもスイッチ部が陥没することはなくなった。基板の中央の丸い穴にライトのバネを通し、マイナス側をバネに直接ハンダ付けした。

 このライトでスイッチのオン/オフ操作でライトが点滅開始する。ライトを消すときは、スイッチを数秒間オンさせてライトを点灯させ、オフすればライトが消灯する。裏技だがライトを垂直に数回振るとライトが点滅開始することもできたが、逆にポケットに入れておくといつの間にか点滅開始をすることがあったのでご注意願いたい。

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