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並列接続IGBTの駆動ゲート抵抗は共有すべきか否か(2/3 ページ)

IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を並列接続する場合、ゲート抵抗を共有させるか、させないか、という「ゲート間の接続」に関する議論が存在します。何を根拠に、ゲート抵抗の構成を決めるべきかを考えていきましょう。

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ゲート抵抗の構成オプションをテスト


図1:IGBTスイッチング損失vs. VCE(sat) (クリックで拡大)

 ゲート抵抗の構成オプションをテストするために、22個の部品から2つのIGBTを選びました。この2つはミスマッチを理由に選ばれました。図1は、デバイスのVCE(sat)電圧を横軸に、総スイッチング損失を縦軸にプロットしたものです。

 テストに使用したデバイスは、「NGTB40N60IHL IGBT」(オン・セミコンダクター製)であり、600ボルト、40アンペアの仕様です。ユニット1および26は、両方のパラメーターの差異を理由により選ばれており、ターンオン損失は、それぞれ1.65mJ、1.85mJ、ターンオフ損失は、それぞれ0.366mJ、0.390mJでした。


図2:個別の22Ωゲートレジスタを用いた場合のターンオフ波形 (クリックで拡大)

 1つのドライバおよび個別の22Ωゲート抵抗を共有した場合、ターンオフ時の電流の波形のアンバランスは明らかです。これは、2つのデバイスの閾(しきい)値、相互コンダクタンスおよび、ゲート容量特性の違いによるスイッチングスピードのミスマッチによるものです。


図3:共通の11Ωゲートレジスタを用いた場合のターンオフ波形 (クリックで拡大)

 図3は、特定時間にゲートを同じ電位にするよう共通の11Ωゲート抵抗を使ったスイッチング波形を示しています。ターンオフ時のアンバランスは、この構成において大幅に削減されます。2つのスイッチング波形を見て分かるように、DCアンバランスは、ゲート抵抗の影響を受けていません。

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