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SiCパワー半導体製造を6インチウエハーに移行へSTマイクロエレクトロニクス

STマイクロエレクトロニクスは、ハイブリッド自動車と電気自動車向けのSiCパワー半導体とAEC-Q101認定取得スケジュールを発表した。2016年末までに6インチウエハーへ移行する。

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 STマイクロエレクトロニクスは2016年5月、ハイブリッド自動車(HEV)と電気自動車(EV)向けに、高効率なSiC(炭化ケイ素)パワー半導体を発表した。同時に、車載用製品規格「AEC-Q101」の認定取得スケジュールを発表している。

6インチウエハーに移行

 同社は、2014年の1200V耐圧SiCパワーMOSFETを発表以来、業界最先端とする4インチウエハープロセスを使用し、SiCパワーMOSFET/SiCダイオードを製造している。

 今回、製造コストの低減や品質向上、車載システムで必要となる量産体制を構築するため、2016年末までにSiCパワーMOSFET/SiCダイオードの製造を6インチウエハーへ移行する。車載機器メーカーの新製品開発に合わせ、2017年初旬にAEC-Q101認定プログラムを完了させる。AEC-Q101認定については、既に650V耐圧SiCダイオードが適合済み。今後、650V耐圧SiCパワーMOSFET/1200V耐圧SiCダイオードが2017年初旬までに、1200V耐圧SiCパワーMOSFETが2017年末までに認定を取得する予定だ。


STマイクロエレクトロニクスのSiCダイオード (クリックで拡大) 出典:STマイクロエレクトロニクス

IGBTよりも効率が最大3%向上

 SiCは、動作電圧400V以上のHEV/EVの駆動部分に、より小型のデバイスで対応が可能。SiCパワーMOSFET/SiCダイオードは、シリコンデバイスに比べて低い内部抵抗と短い応答時間を実現できるため、電力損失を低減し、関連部品を小型化できる。例えば、650V耐圧SiCパワーMOSFET「SCTW100N65G2AG」をHEV/EVのメインインバーターで使用した場合には、IGBTソリューションよりも効率が最大3%向上するという。

 650V耐圧SiCダイオード「STPSC20065WY」は現在量産中で、DO-247パッケージで提供される。同シリーズは、低い定格電流で小型TO-220パッケージ品の提供も予定している。1200V耐圧SiCダイオード「STPSC10H12D」は、TO-220ACパッケージ品がサンプル出荷中で、2016年6月中に量産を開始。車載用製品は、2016年第4四半期に量産を開始する。

 650V耐圧SiCパワーMOSFETの「SCTW100N65G2AG」は、サンプルを出荷している。パッケージはHiP247で、2017年上半期に量産を開始する。表面実装型の650V耐圧SiCパワーMOSFETは、2017年上半期にAEC-Q101の認定を取得する予定だ。

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