HVやEVのバッテリーシステムを保護するモニター:インターシル ISL78610
インターシルは2016年6月、ハイブリッド車と電気自動車のバッテリーシステムを保護する、12セル・リチウムイオンバッテリーパックモニター「ISL78610」を発表した。
最大12セル電圧を監視可能
インターシルは2016年6月、ハイブリッド車と電気自動車のバッテリー・システムを保護する、12セル・リチウムイオンバッテリーパックモニター「ISL78610」を発表した。セルバランシング機能と、高精度の電圧、温度監視機能を搭載している。
ISL78610は、高精度の電圧読み取り、診断機能により、最大12セル電圧を監視できる。測定精度は±10mVで、VBAT測定精度は±100mV。基準電圧源や14ビットA-Dコンバーター、レジスターを内蔵し、2Mビット/秒 SPIインタフェースを通じて、マイクロコントローラに直接接続できる。主要内蔵機能を対象としたシステム診断機能も搭載。動作温度は−40℃〜105℃で、AEC-Q100 Grade-2に準拠した。
システム設計の際、単独のバッテリーパックモニターとして使用できるほか、高精度マルチセルバッテリーマネジャー「ISL78600」と組み合わせることで、冗長バックアップデバイスとしても使用できる。これにより、自動車用機能安全規格「ISO26262」のASIL-D準拠システムの実現が可能になるという。
両製品とも、オープンワイヤ、過電圧、低電圧、過温度、セルバランシング故障などの内部、外部故障検出機能を搭載しており、バッテリーパックの故障を解消できる。高い過渡耐性とEMC、EMI耐性を提供する独自の通信システムにより、複数のデバイスのデイジーチェーン接続が可能で、最大168セルのシステムをサポートできる。
パッケージは、いずれも10mm角の64ピンTQFPで、1000個購入時の単価はISL78610が6.30米ドル、ISL78600が7.00米ドルとなっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 白物家電でのモーター駆動の新課題と対処技術
白物家電メーカーは困難な時代に直面しています。メーカーは激しい競争が続く市場において、消費者にとって自社製品をより魅力的なものにする必要があります。同時に、ますます厳しくなる環境ガイドライン(北米における「ENERGY STAR」や欧州連合の「92/75/EC」など)に従う必要もあります。その結果、動作音が小さく動作寿命の長い、高集積度/高エネルギー効率の機器を開発することが強く求められています。本稿では、白物家電の設計におけるモータードライバーICおよびインテリジェントパワーモジュール(IPM)技術の最新動向について説明します。 - マイコン不要の車載BLDCモーター用ゲートドライバ
オン・セミコンダクターは2016年6月、マイコンを使用せずに車載用三相ブラシレス(BL)DCモーターをセンサーレス制御できるドライバIC「LV8907UW」を製品化した。 - 最高175℃で動作する同期整流式降圧レギュレーター
リニアテクノロジーは、42V/3.5A同期整流式降圧スイッチングレギュレーター「LT8610AX」を発表した。最高175℃の周囲温度で動作し、175℃で90%以上の高効率動作を可能にしている。 - 出力電流40A/入力電圧16VのDC-DCコンバーター
日本テキサス・インスツルメンツは、同期整流降圧型DC-DCコンバーター「TPS548D22」を発表した。正確なリモート電圧の差動センシング機能が、システムの精度を向上させるという。