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いろいろなマイコンの低消費電力モードを理解するQ&Aで学ぶマイコン講座(28)(1/4 ページ)

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、中級者の方からよく質問される「マイコンの低消費電力モードの違い、使い分け」についてです。

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過去の質問一覧はこちら

 素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。

 今回は、中級者から多く寄せられる質問です。

 マイコンの説明書やカタログに「低消費電力モード」とか「省電力モード」とか、記されていますが、具体的にどのような動作モードなのでしょうか? 通常のモードと何が違いますか? どのように使い分ければ良いのか、いまいち分かりません。使用する時の注意点などもあれば、教えてください。

 「低消費電力モード」「省電力モード」は、マイコンの動作時の消費電力を小さくするために設けられた特別な動作モードです。通常、マイコンには高い性能が求められるため、できるだけ高速で動作するようになっています。そのため、必然的に通常モードでは、消費電力が大きい状態での動作になります。

 しかし、電池駆動のような電源容量に限界がある用途では、必要以上に高速動作させると電池寿命が短くなってしまいます。

 そこで、最近のマイコンは、状況によって性能を抑えたり、動作させる機能を減らしたりして、消費電力を低減する動作モードが準備されています。こうした動作モードを「低消費電力モード」「省電力モード」などと呼びます。

 「低消費電力モード」「省電力モード」には、性能の抑える程度や動作させる機能の範囲に応じて、いろいろな動作モードが用意されています。

 例として、表1に「STM32ファミリー」(STマイクロエレクトロニクス)の代表的な低消費電力モードを示します。


表1:「STM32ファミリー」の主な低消費電力モード (クリックで拡大)

 消費電力を小さくする手法は、大きく分けると「必要な機能だけ動作させ、不要な機能を停止/電源切断*1)する」と、「動作速度を落として電力を小さくする」の2つになります。

 スリープモード、ストップモード、スタンバイモードは前者の手法、低電力ランモードは後者の手法を使っています。

*1)ここで「停止」とは機能ブロックへのクロック供給を止めることによって低電力を実現することを指します。「電源切断」は、電源供給を止めることを指します。

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