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いろいろなマイコンの低消費電力モードを理解するQ&Aで学ぶマイコン講座(28)(2/4 ページ)

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、中級者の方からよく質問される「マイコンの低消費電力モードの違い、使い分け」についてです。

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マイコンの消費電力

 基本的に電力(W)は、電圧(V)×電流(A)で求められます。最近のマイコンは、レギュレーターを内蔵していて、内部回路の電源電圧は一定で動作しますので、消費電力は消費電流に依存するといえます。

 すなわち「低電力/省電力」は、「低電流/省電流」と同じことだと考えて差し支えありません。

 最近のマイコンでは消費電流を減らすことができる動作モードが準備されていて、「低消費電力モード」または「省電力モード」と呼ばれています。(以下「低消費電力モード」と呼びます)

 マイコンの消費電力の求め方については「Q&Aで学ぶマイコン講座(23):消費電力の計算方法」をご覧ください。

低消費電力モードの手法

 消費電力を小さくする手法は、大きく分けると次の2つになります。

  1. 必要な機能だけ動作させ、不要な機能を停止/電源切断する
  2. 動作速度を落として動作に必要な電力を小さくする

 表1の各低消費電力モードを分類すると、スリープモード、ストップモード、スタンバイモードは、「手法1」に相当し、低電力ランモードが「手法2」に相当します。


表1:「STM32ファミリー」の主な低消費電力モード (再掲) (クリックで拡大)

 図1にマイコン内部のブロックごとのイメージを示します。


図1:低消費電力モード時のマイコンの内部状態イメージ (クリックで拡大)

 マイコンを使う場合、全てのユーザーが、全ての機能を使うとは限りません。例えばUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)が複数搭載されているマイコンでも、全てのUARTが常時動作しているとは限りません。必要な時に必要な数だけ動作させると、消費する電力は最適化されます。他の機能でも同じようなことがいえます。CPUも例外ではありません、周辺機能が動作していても、CPU演算が不要な場合には、CPUの動作を止めると、その分、電力の節約になります。

 一方、マイコンの消費電流は動作周波数にも依存します。動作速度を低くすれば、電流も小さくなります。常に最高動作周波数にするのではなく、必要に応じた動作周波数に変更することによって、電力を最適化できます。

 表1中の低電力ランモードは、ランモード(通常モード)と動作させる機能の数は同じですが、動作周波数を低くすることで電力を低減します。

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