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いろいろなマイコンの低消費電力モードを理解するQ&Aで学ぶマイコン講座(28)(3/4 ページ)

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、中級者の方からよく質問される「マイコンの低消費電力モードの違い、使い分け」についてです。

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低消費電力モードの種類

 各低消費電力モードについて、具体的製品を使ってさらに詳しく説明します。

 表2はSTM32ファミリーの低電力マイコン「STM32L4シリーズ」の例です。


表2:「STM32L4シリーズ」の低消費電力モード (クリックで拡大)

 ランモードは全ての機能が高速で動作するモードです。このモードで動作周波数を低くしたものが低電力ランモードです。ランモードの状態からCPUだけを停止させたモードがスリープモードです。スリープモードでは、周辺機能は全て高速で動作可能です。スリープモードで動作周波数を低くしたものが低電力スリープモードです。CPUが止まると命令読み出しが不要になるのでフラッシュメモリも停止させることができます。スリープモードと低電力スリープモードではユーザーが動作させたい機能を選択することができます。スリープモードからさらに動作させることができる機能を絞ったモードがストップモード1とストップモード2です。ストップモード2の方が動作させる機能が少ないので電力は小さくなります。そして、CPUと周辺機能の全てを停止させたモードがスタンバイモードです。このモードではRAMの値も一部失われます。

 そして、最後にマイコン内部の電源を切断したものがシャットダウンモードです。マイコンの電源を切ったのと同じ状態ですので電力は最も小さくなります。

補足)ランモードでも動作周波数を低くしたり、動作周辺機能を選択できたりし、消費電力を抑えられますが、より電力を最適化するために設けられたのが、低消費電力モードです。

モード遷移

 図2に各モードの遷移図を示します。


図2:モード遷移図と復帰時間 (クリックで拡大)

 ランモードを中心に、さまざまなモードへ遷移することができます。遷移のトリガーは主にソフトウェアと割り込みです。ランモードから低消費電力モードに遷移するときは、ソフトウェアでトリガーをかけますが、逆に低消費電力モードからランモードに戻るときは、CPUが停止していますので、周辺機能や外部端子からの割り込みがトリガーになります。

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