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いろいろなマイコンの低消費電力モードを理解するQ&Aで学ぶマイコン講座(28)(4/4 ページ)

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、中級者の方からよく質問される「マイコンの低消費電力モードの違い、使い分け」についてです。

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具体的な低消費電力モードの利用方法

例1)全機能を動作させたいのだが、消費電力を下げたい場合

 主に低電力ランモードを使えば効果的です。携帯型機器などの電池駆動の用途では、できる限り電池寿命を長くしなければなりません。そのため、通常動作中でも電力を抑えるようにします。マイコンの高速動作が必要とされない携帯型機器では、低電力ランモードを用いると効果的です。高速動作が必要な時だけ、ランモードで動作するように切り替えれば、より効果的に電力を最適化できます。

例2)周辺機能をメインに動作させたい場合

 主にスリープモードまたは低電力スリープモードを使います。例えば、通信機能の受信だけ動作させて、CPUを止めておきます。通信が終わって受け取ったデータを処理する時にCPUを起こして、ランモードで処理します。このような場合はランモードとスリープモードを使うと、電力を最適化できます。スリープモードで動作する機能にDMA(Direct Memory Access)とRAMが含まれていますので、DMAとUARTを動作させておいて、受信データをRAMのテーブルに格納することは、CPUが動作していなくても行えます。

例3)携帯型機器で時計表示機能だけ動作させたい場合

 主にストップモード2を使います。時間をカウントするRTC(Real-Time Clock)と液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)は動作しているので、事足りるためです。LCDの時計表示は維持され、秒単位の表示であれば1秒ごとに、LCDの表示を変更するためにCPUを起こして低電力ランモードに遷移させ、表示が変われば再びストップモード2に戻します。これを繰り返せば、電流値は低く維持できますので、電池が長持ちします。

低消費電力モードの使用上の注意

 各モード間を遷移する場合には、遷移時間が必要になります。遷移時間は主に「内部の論理動作が必要とする時間」と「内部のアナログ回路の立ち上がり時間」と「発振回路の起動時間などの外部要因の時間」です。

 図2中で、シャットダウンモードからランモードに復帰するには250マイクロ秒かかります。スリープモードからだとシステムクロック6サイクルです。この時間を考慮しておかないと、低消費電力モードから復帰した直後の動作で、誤動作が発生する可能性があります。

 ここで、サイクル数で定義している時間は、「内部の論理動作が必要とする時間」です。絶対時間で定義している時間は「内部のアナログ回路の起動時間」です。「発振回路の起動時間などの外部要因の時間」は、外部要因に依存するので、マイコン側では定義できません。ユーザーが外部要因の仕様を確認する必要があります。

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