電池で10年以上駆動するLTE Cat 1モジュール:ソフトバンクなど3社
太陽誘電は2016年7月20日、ソフトバンクとAltair Semiconductorと、3GPPが定める規格「LTE Cat 1(カテゴリー1)」に準拠したLTEモジュールを開発したと発表した。最新の標準規格「Release 13」にも対応でき、電池駆動で10年以上稼働する低消費電力化を実現できるという。
「Release 13」にも対応可能
太陽誘電は2016年7月20日、ソフトバンクとAltair Semiconductorと、3GPPが定める標準規格「LTE Cat 1」に準拠したモジュール(バンド1と8に対応)を開発したと発表した。LTE Cat 1は、上り最大5Mビット/秒、下り10Mビット/秒の通信速度を出すことができるLTEの1種。電波の利用効率が良く、基地局など通信インフラも整っているため、IoT(モノのインターネット)機器の通信手段の1つとして、期待が高まっている。
また、最新の標準規格「Release 13」にも対応可能で、通信レスポンスや通信回数によって異なるが、電池駆動で10年以上駆動する低消費電力化を実現できるという。今後、電池駆動が期待されているスマートメーターやIoTセンサーノード、見守りシステムといった、低消費電力を生かしたソリューションを提案していく。
太陽誘電は、「今回、ソフトバンクが全体のサービス統括と仕様の策定を担い、Altair SemiconductorがLTEのチップセットを開発した。当社は、受動部品や通信デバイスで培ったノウハウを生かして、モジュール化を担当した」と語る。
太陽誘電によると、価格や詳しい仕様に関しては現在、非公開。なお、太陽誘電とAltair Semiconductorは、2016年7月21〜22日にザ・プリンスパークタワー東京で開催される「SoftBank World 2016」に共同出展するとしている。
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