新しいMEMS技術を実用化したRFスイッチ:アナログ・デバイセズ ADGM1304/ADGM1004
アナログ・デバイセズは2016年11月、新しいMEMSスイッチ技術を開発し、この技術に基づいて実用化したRF MEMSスイッチ「ADGM1304」「ADGM1004」を発表した。自動試験装置(ATE)や、その他の測定機器の精度と多様性を大幅に向上させるという。
0G〜14GHzで優れた精度とRF性能を発揮
アナログ・デバイセズは2016年11月、新しいMEMSスイッチ技術を開発し、この技術に基づいて実用化したRF MEMSスイッチ「ADGM1304」「ADGM1004」を発表した。自動試験装置(ATE)やその他の測定機器の精度と多用性を大幅に向上させるという。
1000個購入時の単価は、ADGM1304が36.58米ドルでADGM1004が39.34米ドル。ADGM1304は現在量産中で、ADGM1004は2017年2月より量産を開始する。
両製品は、0G〜14GHzで優れた精度とRF性能を発揮。静電駆動スイッチと、低電圧で低電流のドライバICの2つのダイで構成されている。スイッチング素子には信頼性の高い金属接触が含まれ、ドライバICから生成される静電気力で動作する。同一パッケージにより、業界最高水準のDC精度とRF性能が確保した扱いやすいスイッチとなっている。
従来のメカニカルリレーと比較すると、95%の小型化、30倍の高速化、10分の1の低消費電力化となった。動作寿命は、最低でも10億サイクル。メカニカルリレーに比べ、コールドスイッチングの耐用年数を10倍伸ばし、ATEシステムの動作寿命を延長して、故障によるダウンタイムや、それに伴うコストを削減するとした。
パッケージはLFCSPで、ADGM1304は厚さ0.95mm、ADGM1004は1.45mmと薄いため、設計時にATEのテストボードの両側にデバイスを表面実装できる。機器のフットプリントを拡大することなく、コストを削減してチャネル密度の向上が可能となる。チャージポンプ内蔵で外付けドライバが不要のため、ATEシステムをサイズダウンできる。
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