MIPI-CSI2インタフェース内蔵のビデオデコーダー:インターシル ISL79985/ISL79986
インターシルは、車載アラウンドビューシステム向けに、MIPI-CS12インタフェースを内蔵した4チャンネルビデオデコーダー「ISL79985」と、ラインインタリーブBT.656インタフェースを備えた「ISL79986」を発表した。
MIPI標準仮想チャネル識別機能を集積
インターシルは2016年9月、車載アラウンドビューシステム向けに、MIPI-CS12インタフェースを内蔵した4チャネルビデオデコーダー「ISL79985」を発表した。併せて、ラインインタリーブBT.656インタフェースを備えた「ISL79986」を発表した。
両製品は、差動入力、疑似差動入力、シングルエンド入力に対応する10ビットA-Dコンバーターを内蔵した4つのNTSC/PAL/SECAMアナログビデオデコーダーを1チップに集積し、4つのアナログカメラCVBS入力に同時に対応する。独自の自動コントラスト調整イメージエンハンス機能も備え、照明条件に対応しながら輝度、コントラストを最適化できる。
各差動入力チャンネルには、バッテリーショートとグラウンドショートを検出するプログラマブルな車載短絡診断機能を搭載。内蔵しているPLL(Phase Locked Loop:位相同期回路)により、27MHz水晶振動子で高周波出力を生成できる。
ISL79985は、MIPI-CSI2出力インタフェースにMIPI標準仮想チャンネル識別機能を集積している。先進運転システムで、高品質の360°鳥瞰(ちょうかん)画像を生成でき、車の周囲の対象物検知や後進、駐車時にドライバーを支援するという。ディスクリート部品を最大9個代替可能で、基板スペースを低減した。
ISL79986では、カメラ4台から伝送されるビデオ画像を単一の鳥瞰映像に合成し、車両上方から撮影したかのような鳥瞰画像を提供する。シングル8ビットデータバス上で4チャネルを出力する、108MHz時分割多重ITU-R BT.656ラインインタリーブフォーマットにも対応した。
両製品ともに7mm角の48ピンQFNパッケージで提供され、1000個購入時の単価はISL79985が6米ドル、ISL79986が5米ドルとなっている。動作温度範囲は−40〜+105℃で、車載用信頼性試験規格「AEC-Q100 Grade-2」に準拠した。
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