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漏れインダクタンスを使用したフライバックコンバーター(3) 小信号モデル化電源設計(5/6 ページ)

この連載の最終回にあたる第3回では、電圧モードで動作し漏れインダクタンスの影響を受けるCCMフライバックコンバーターの小信号応答について検討します。第2回で紹介した更新後の大信号モデルから、最も簡潔なリニアバージョンを確立する目標に向けてステップ形式で作業を進め、徐々に簡略化した小信号回路図を導き出します。この最終的な回路に基づいて、制御側から出力側への伝達関数を抽出し、漏れインダクタンスが伝達関数の分母である品質係数にどのような影響を及ぼすかを示します。

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解析式のテスト

 図1の動作値を想定し、複数の複雑な係数とゼロlleak(rC=0)の組み合わせ、または簡略化したフライバック式のどちらかを考慮して、式23で与えられる応答をプロットすると、図10に示すように、振幅と位相両方の応答プロットは正確に重なります。


図10:漏れインダクタンスを0に設定した場合、複雑な係数で形成される式とフライバックに関する従来の式が、同一周波数応答プロットを返す

 次のテストは、lleakを10μHに設定し、Mathcadから得られたプロットと小信号に対するSPICEシミュレーションから得たプロットを重ね合わせることです。図11に示すように、これらの曲線は正確に重なるので、漏れインダクタンスを考慮して数学的に導いた伝達関数が正しいことを確認できます。


図11:SPICEプロットとMathcadプロットは正確に重なるので、図4でdをVoutにリンクしている伝達関数に関する解析的導出が正しいことを確認できる

 最後に、ここまでのモデル化アプローチを別のシミュレーションプラットフォームと比較するために、筆者の同僚であるカピージャ博士は、第1回で導入した、簡略化したサイクル単位のモデルを、Simplisテンプレートを使用してプロットし(図12)、複数の構成を実行して小信号応答を抽出しました。結果を図13に示します。小信号モデルを使用して取得したSPICEシミュレーションの結果は以下をご参照ください。


図12:Simplisはスイッチング回路から小信号応答を抽出できる

図13:Simplisから得られたAC応答は、SPICE平均モデルに比べ、わずかに減衰した回路を示している

漏れインダクタンスが1μHの場合、Simplisはわずかに小さいQを示しています。おそらく、シミュレートした回路で選択されたスイッチング素子のいくつかに固有の損失が原因と考えられます。漏れインダクタンスがそれより大きい(10μHおよび30μH)場合、一致度は非常に良好で複数の曲線がほぼ重なっています。

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