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ダイオードで学ぶパワーエレクトロニクスの基本イチから学ぶパワエレ入門(1)(2/4 ページ)

半導体素子の基本を学びながら、パワーエレクトロニクスの核心に迫っていく本連載。今回は手始めとして、電気と半導体の基本を簡単に説明しつつ、半導体素子の基本であるダイオードを使った電力変換について解説していきましょう。

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導体、不導体、半導体の違い

 電圧をかけたときに電荷がよく移動する物質を「導体」、移動しづらい物質を「不導体」と呼びます。言い換えれば、電源とつながったときに電気を流すのが導体で、電気を流さないのが不導体となります。

 では、半導体とはどのような物質なのでしょうか。

 半導体は与える条件次第で電気を流す物質にも、流さない物質にも変化する、導体と不導体の両方の性質を持つ物質です。

 そして、外部から半導体に与える条件を変えることで、その特性を導体にも不導体にも変えられるのです。この半導体の特長を利用すると電力を入り切り(オンオフ)でき、電力の変換に利用できるのです。

 では、どのように半導体素子で電力を変換するのかを半導体素子の基本であるダイオードを説明しながら詳しく見ていきましょう。

P型、N型半導体とダイオード


図5:半導体の成り立ち

 半導体にはP型半導体とN型半導体があります。先ほどの原子の構造に関係しますが、原子核の周りを周回している電子が一定の個数になると、物体は安定した状態になります。通常、半導体の材料であるケイ素(Si)は、最も外側の軌道に4つの電子を持っていますが、安定するにはさらに4つの電子が必要です。そこで、図5のように自分も電子を供出しつつ(実線)、隣の電子を共有する(破線)ことで、互いに安定した状態になるように結合しています。この状態では先ほどのような自由電荷がないので、電気は流れにくくなっています。そこで、ホウ素(B)のように電子が1つ少ない物質や、ヒ素(As)のように電子が1つ多い物質を混ぜます。すると、電子の不足や余剰が生まれ、外部からの電圧で電子の移動が発生するようになります。電子が1つ少ない物質を混ぜたものがP型半導体で、電子が1つ多い物質を混ぜたものがN型半導体です。なお、P型半導体では負電荷である電子の欠けたところ(正孔)が移動するため、正電荷が電子と逆方向に移動していると見なせます。一方、N型半導体では電子が移動します。移動する電荷のことは、多数キャリアと呼びます。


図6:ダイオードの構造

 では、ダイオードの話に入ります。ダイオードは図6のように、P型とN型の半導体を接合しています。この接合面では、電子と正孔が互いに打ち消し合い、キャリアが存在しない空乏層が発生します。外部から電圧を加えると、ダイオードはどのように動作するのでしょうか。図7の方向に電圧を加えると、それぞれのキャリアは接合面の反対の方向に移動します。すると、空乏層はより拡大して電荷が通り抜けにくくなるため、ダイオードは導通しません。この電圧の向きを逆電圧と言います。


図7:逆電圧による動作

 一方で図8の方向に電圧を加えると、それぞれのキャリアが空乏層を超えて移動するため、導通状態となります。こちらの電圧の向きは順方向と言います。まとめると、ダイオードは順電圧を加えると動作(オン)し、逆電圧では動作しないという振る舞いを行います。


図8:順電圧による動作

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