5×6mm両面放熱PKGに封止した車載パワーMOSFET:STM STLD200N4F6AGなど
STマイクロエレクトロニクスが、車載用モータ制御アプリケーション、バッテリー逆接続防止、高性能電源スイッチングに適した40V耐圧パワーMOSFET「STLD200N4F6AG」と「STLD125N4F6AG」を発表した。STLD200N4F6AGとSTLD125N4F6AGは、車載用電子制御ユニット(ECU)の電力密度を高める両面放熱パッケージに封止されている。
高い電力効率、熱管理の簡略化に
STマイクロエレクトロニクスは2017年5月、車載用電子制御ユニット(ECU)の電力密度を高める両面放熱(DSC:dual-side cooling)パッケージ「PowerFLAT 5×6 DSC」に封止された最新の車載パワーMOSFET「STLD200N4F6AG」と「STLD125N4F6AG」を発表した。
STLD200N4F6AGとSTLD125N4F6AGは、車載用モーター制御アプリケーション、バッテリー逆接続防止、高性能電源スイッチングに適した40V耐圧パワーMOSFET。前者のドレイン電流は最大120Aで、オン抵抗は最大1.5mΩ。後者のドレイン電流は最大120Aで、オン抵抗は最大3.0mΩ。両製品とも高い電力効率を発揮し、システムの熱管理の簡略化に役に立つ。それぞれゲート電荷の合計が172nC、91nCと低容量のため、高い動作周波数での効率的なスイッチングが可能だ。
一方、PowerFLAT 5×6 DSCパッケージは5×6×0.8mmの小型DSCパッケージ。標準パッケージと同等の実装面積と下面からの熱効率を維持すると同時に、上面のソース電極を露出し放熱性を向上。これにより、ECUの電力密度を向上させる高い定格電流を実現し、機能、性能、信頼性の低下なく、小型ECUの設計を可能にする。
STLD200N4F6AGとSTLD125N4F6AGは、トレンチゲート構造の「STripFET F6」を採用した新製品ファミリーの最初の製品となる。車載アプリケーション用に広範な定格電流や定格電圧を提供するとともに、最大内部温度175℃などの過酷な環境での動作に対応できる。
両製品とも100%のアバランシェ試験済み。また、AEC-Q101規格の認定を取得済みだ。単価は1000個購入時に約1.15米ドル。STマイクロエレクトロニクスは、STripFET F7を採用した新製品が2017年中に同製品ファミリーに追加される予定としている。
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