2D GPUと最大32MバイトのDDR2メモリ内蔵MCU:マイクロチップ PIC32MZ DA
マイクロチップ・テクノロジーは、2D GPUと最大32MバイトのDDR2メモリを内蔵した32ビットマイコン「PIC32MZ DA」ファミリーを発表した。DDR2メモリを内蔵したことで、スループットが2倍に向上した。
MPUに匹敵するグラフィックス性能を提供
マイクロチップ・テクノロジーは2017年5月、2D GPU(Graphics Processing Unit)と最大32MバイトのDDR2メモリを内蔵した32ビットマイコン「PIC32MZ DA」ファミリーを発表した。DDR2メモリを内蔵したことで、スループットが2倍に向上した。
PIC32MZ DAファミリーは、24ビットカラーのSVGA(Super Video Graphics Array)ディスプレイを駆動可能な3層グラフィックスコントローラーや32MバイトのSDRAM、640KバイトのSRAMを内蔵する他、SPI、I2C、I2S、USBなどの各種接続インタフェースを装備した。128MバイトのSDRAMを外付けすることもできる。
開発環境として、同社の統合ソフトウェアフレームワーク「MPLAB Harmony」、統合開発環境「MPLAB X」、「PIC32 MCU」向けコンパイラ「MPLAB XC32」、インサーキットデバッガ「MPLAB ICD 3」、インサーキットエミュレーションシステム「MPLAB REAL ICE」が使用できる。これらと組み合わせることで、アプリケーションの色深度やディスプレイサイズ(最大12インチ)が向上し、マイクロプロセッサユニット(MPU)に匹敵するグラフィックス性能の提供が可能になるという。
動作電圧は2.2〜3.6Vで、動作温度範囲は−40〜85℃。169ピンのBGA、176ピンのLQFP、288ピンのBGAを含む各種パッケージで提供する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- MCUとMPUの違いって何?
マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初級者の方からよく質問される「MCUとMPUの違いって何?」です。 - そもそも「マイコン」って何?
マイコンを使いこなすために知っておくべき基本用語を毎回1つずつ取り上げて解説する新連載がスタート!! 第1回目の今回は、「そもそも“マイコン”って何?」という問い掛けから、マイコンの実態や応用分野、具体的な働きについて紹介します。 - 実は足し算しかできない!? 「補数」「シフト」で四則演算しているマイコン
皆さんご存じのように、マイコンはいろいろな演算を行います。でも、実は算術演算の中では足し算しかできないんです。マイコンは足し算と、論理反転とシフトを組み合わせて、その他の算術演算(引き算、掛け算、割り算)を実現しています。では、どうやって演算しているのかを説明します。 - 90nmプロセスの“90nm”ってどこの長さ?――マイコンの作り方
マイコンを作る工程をプロセスと呼びます。マイコンは多くのMOSトランジスタで構成されています。MOSトランジスタは、厳密にはMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)ですが、ここでは省略してMOSと呼びます。具体的には、シリコン(元素記号Si)上にMOSを作る工程がプロセスの主な工程になります。MOSの詳しい説明はいろいろな記事が既にありますので、今回はマイコンを使うエンジニアが必要とする知識で、プロセスに関係するものを説明します。 - 電源のマルチタスク処理を強化したマイコン
サンケン電気は2017年2月、デジタル制御電源向けマイコン「MD6603」を発表した。独自のマルチタスク処理用プロセッサ「EPU(Event Processing Unit)」を内蔵し、デジタル制御電源に必要な複雑なリアルタイム処理を低遅延で実行できるという。 - マイコンの消費電力を理解する
低消費電力のシステムを設計するには、消費電力の少ないマイコンを選択する必要がある。そのためには、各メーカーが提示する製品スペックを吟味しなければならない。しかし、その製品スペックは、メーカーごとに異なる指標で規定されていて、単純に比較できないケースが多い。そこで本稿では、マイコンの消費電力を正しく比較するために必要となる基本的な事柄を整理する。