最大150VのハイサイドNチャネルMOSFETドライバ:アナログ・デバイセズ LTC7000/LTC7000-1
アナログ・デバイセズは、100%のデューティサイクルを可能にした、保護機能付き高速ハイサイドNチャネルMOSFETドライバ「LTC7000」と「LTC7000-1」を発売した。最大150Vの電源電圧で動作する。
最大150Vの電源電圧で動作
アナログ・デバイセズは2017年6月、100%のデューティサイクルを可能にした、保護機能付きの高速ハイサイドNチャネルMOSFETドライバ「LTC7000」と「LTC7000-1」を発売した。最大150Vの電源電圧で動作する。
両製品はチャージポンプを内蔵し、外付けのNチャネルMOSFETスイッチを完全に導通させて、オン状態を無期限に保つことができる。入力電源範囲は3.5〜135Vで、バイアス電圧範囲は3.5〜15V。1000pFの負荷駆動時の立り上がり、立ち下がり時間は13ナノ秒と短いため、スイッチング損失を低減できる。
また、外付けMOSFETのドレインに検出抵抗を直列接続し、その電圧を監視することで過電流状態を検出できる。スイッチ電流が設定レベルを超えるとフォルトフラグがアサートされ、外付けのタイミングコンデンサーで設定した時間だけスイッチがオフし、設定した時間の経過後に自動的に再試行する。
他に、短絡保護、オープンドレインフォルトフラグ、ブートストラップダイオード、調整可能なターンオンスルーレートなどの機能を内蔵。さらにLTC7000は、イネーブル、過電圧ロックアウト、調整可能な電流制限、電流モニター出力などの機能を搭載した。
パッケージは、LTC7000がMSOP-16、LTC7000-1がピン4本を除去した高電圧動作用のMSOP-16(12)で提供される。動作温度範囲は、−40〜125℃の温度拡張とインダストリアル温度グレード、−40〜150℃の車載グレード、−55〜150℃ミリタリーグレードをそろえた。1000個購入時の参考単価は2.75米ドルからとなる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- シリコンパワーMOSFETの性能改善、素子構造よりもパッケージが効く時代に
SiCやGaNを使う次世代パワー半導体の開発が進んでいるものの、当面は旧来のシリコン材料を用いたパワーMOSFETが広く使われるだろう。ただしシリコン品の性能を高めるには、もはや半導体素子構造の改良では間に合わない。ウエハー処理の後工程となる組み立てプロセスとパッケージ技術の進歩が貢献する。 - 高速リカバリーダイオード内蔵のパワーMOSFET
STマイクロエレクトロニクスは、高速リカバリーダイオードを内蔵したスーパージャンクション型パワーMOSFET「MDmesh DK5」シリーズを発表した。さまざまな電力変換トポロジーの効率を最大化する。 - MOSFETの実効容量値を簡単に求める術
MOSFETのデータシートには、1つの測定電圧での出力静電容量値が記載されています。この値は、従来のプレーナ型MOSFETには有効でしたが、スーパージャンクションなど複雑な構造を用いる最新のMOSFETの評価には適していません。本稿では、最新のMOSFETの評価に有効な実効容量値を、より簡単に求める方法を探っていきます。 - SiC、GaNパワー半導体対応の絶縁ゲートドライバ
アナログ・デバイセズ(ADI)は2017年5月23日、高いコモンモード過渡電圧耐性性能と低伝搬遅延を両立した小型の絶縁ゲートドライバ4製品を発表した。 - パワー半導体の基礎知識
半導体分野の中でも、地味な存在と思われがちなパワー半導体。「パワー半導体って聞いたことはあるけど、よく分からない」という方も多いはず。でも、実は世の中の省エネ化の鍵を握る重要なデバイスです。パワー半導体の役割や働き、その種類などパワー半導体の「基礎の基礎」を紹介します。 - ダイオードで学ぶパワーエレクトロニクスの基本
半導体素子の基本を学びながら、パワーエレクトロニクスの核心に迫っていく本連載。今回は手始めとして、電気と半導体の基本を簡単に説明しつつ、半導体素子の基本であるダイオードを使った電力変換について解説していきましょう。